2011年2月25日(金)「しんぶん赤旗」
石川被告 記載の矛盾 居直り
4億円融資日「 書いても書かなくてもいいもの」
陸山会公判 裏献金、改めて否定
民主党元代表・小沢一郎被告の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反罪に問われた衆院議員石川知裕被告(37)ら元秘書3人の第3回公判が24日、東京地裁(登石郁朗裁判長)であり、石川被告の被告人質問が行われました。
争点となっている2004年分の陸山会の政治資金収支報告書にある「借入金 小澤一郎 4億円」の認識について、石川被告は「(10月12日ころに)小沢被告個人から提供を受けた4億円を記載した」とのべ、虚偽記載を改めて否定しました。検察側は「土地購入の原資を仮装するために銀行から受けた融資4億円を記載した」と指摘しています。
同収支報告書には借り入れの日付が、りそな銀行から転貸しを受けた日と同じ「10月29日」と記載しています。
この点について、石川被告は「書き込んだのは、書いても書かなくてもいい『備考欄』への記入だった。資金を集約した日を記載すればよいと思った」と主張しました。
しかし、借り入れ日を記入しなければ、いつどの借金なのか識別できません。収支報告書の借入金の項目には日付記入欄がなく、備考欄にしか、日付の書きようがありません。備考欄に書いた日付を「書いても書かなくてもいい」とのべる石川被告の主張は、後付けの居直りと言われても仕方ありません。
また石川被告は、小沢氏からの4億円を複数の口座に分散入金した理由について、「銀行がマネーロンダリング(資金洗浄)にうるさくなっている時期なので、多額の金を持ち込むと(出所などの)質問がわずらわしいと思った」と説明。弁護人が「一度に5000万円を振り込んだこともあるが」と聞くと、石川被告は「5000万円なら質問されても答えられると思った」とのべました。
石川被告は、土地購入代金の4億円を報告書に記載しないことを、2005年3月に小沢元代表に報告し了承を得たとする供述調書の内容について、「そのような事実はない」と否定しました。
中堅ゼネコン水谷建設からの裏献金受領について「そのような事実はありません」とのべました。
起訴後に受けた事情聴取の録音記録の中で、起訴内容の一部を認めるようなやりとりがあった点については、「検事から再逮捕があるかもしれないと言われたことや、小沢元代表に累が及ぶかもしれないと考えたためだ」と説明しました。
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