2011年2月28日(月)「しんぶん赤旗」

3・1ビキニデー始まる

核なき世界へ国際交流会議


 「ビキニ事件」の犠牲者を追悼し、核兵器廃絶の誓いを新たにする「3・1ビキニデー」の諸集会が27日、静岡市内で始まりました。

 この日は、日本原水協(原水爆禁止日本協議会)全国集会の国際交流会議が開かれ、160人が参加。「核兵器のない世界への次のステップ」をテーマに、「核抑止力」論の克服と核兵器全面禁止に向けた世論づくりについて討論しました。会場から「世論をつくるうえで、小・中学校から被爆の実相を伝えることが大事だ」などの意見が出されました。

 アメリカフレンズ奉仕委員会のジョセフ・ガーソン氏は、昨年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議が「核兵器のない平和で安全な世界」を実現するための「枠組み」をつくるよう呼びかけたとのべ、「実行に移すときです」と強調。日本原水協が提唱した新しい国際署名「核兵器全面禁止のアピール」への支持をアメリカで広げたいと表明しました。

 日本原水協の土田弥生事務局次長は、新しい国際署名に内外から大きな反響が寄せられていると紹介し、「『次のステップ』の核心は核兵器全面禁止を求める諸国民の要求と行動にある」と指摘。「米ロをはじめとする核保有国のリーダーに、ただちに禁止条約の交渉開始に踏み切るよう要求するため、新署名を積極的にすすめましょう」と呼びかけました。

 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のティム・ライト氏(オーストラリア担当理事)は、「ビキニデーは核兵器がもたらした計り知れない苦しみを思い出す機会です」とのべ、オーストラリアの先住民も英国の核実験で土地を汚染されたと告発。「世界中に核兵器禁止条約を支持する大きな世論の波をつくり出しましょう」と語りました。

 韓国・進歩新党政策委員の金秀R(キムスヒョン)氏は、日韓は米国との軍事同盟への依存を強めるのではなく、平和的手段による平和の達成を原則にすべきだとのべました。

 マーシャル諸島共和国ビキニ環礁自治体のアルソン・ケレン首長が特別報告。米国の核実験から57年たっても移住先の島から帰れず、苦しみ続けていると訴えました。


 「3・1ビキニデー」 1954年3月1日、米国が太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁でおこなった水爆実験で、静岡県焼津市の「第五福竜丸」をはじめ多数の日本漁船の船員、マーシャル諸島の島民らが被ばくする「ビキニ事件」が起きました。これを契機に、日本国内で原水爆禁止運動が高まり、運動が世界に広がる出発点となりました。毎年3月1日を中心に、事件の犠牲者を追悼し、核兵器廃絶の誓いを新たにする諸行事が続けられています。





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