2011年3月2日(水)「しんぶん赤旗」
薬害イレッサ訴訟
国は早期全面解決を
大阪地裁の判決受け止めよ
薬害イレッサ訴訟原告団・弁護団は1日、東京・永田町の国会前で大阪地裁判決(2月25日)を真摯(しんし)に受け止めて国が早期全面解決をはたすよう訴えました。
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原告団・弁護団が訴え
大阪地裁の判決内容を報告した永井弘二弁護士は「アストラゼネカの責任を認めた判決は極めて重要」とのべて「国の責任についても万全だったとは言い難いと指摘しており、早期全面解決を果たすべきだ」と語りました。
原告団代表の近澤昭雄さん(67)は「がん患者が生き続けられる治療であってほしい。がん患者を見捨てないでほしいという一点で6年半たたかってきました。国に責任がないとなれば安心して抗がん剤治療は受けられない。がん治療の改革のために頑張っていく」と、23日の東京地裁判決に期待を寄せていました。
薬剤師(58)は「私の関連する病院が臨床試験に参加したこともあって責任を感じる」と告白。「当初の添付文書に致死的な副作用について書いてはおらず、患者さんの希望でイレッサを使用しました。致死的副作用があるのかないのかは重要な情報。書いていなかったのは重大な欠陥です。欠陥のある薬の承認販売を認めた国の責任は免れない」と批判しました。
全国B型肝炎訴訟原告団代表の谷口三枝子さんや薬害肝炎訴訟原告らが支援に駆けつけてあいさつしました。
早期解決は責務である
保団連が談話
全国保険医団体連合会は2月28日、薬害イレッサ訴訟の大阪地裁判決について斉藤みち子研究部長談話を発表しました。
談話は「製薬企業の製造物責任法上の責任を認めたことは画期的」と判決を評価。「国に対しても対応の不十分さを指摘していることは重大」と述べて、「早期に解決することは、国とアストラゼネカの責務である」と指摘しています。
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