2011年3月29日(火)「しんぶん赤旗」
漁業復興を一大プロジェクトで
志位委員長 被災の千葉・旭市訪問
日本共産党の志位和夫委員長は28日、東北地方太平洋沖地震による津波で死者13人、行方不明者2人が出ている千葉県旭市を訪問しました。同市の明智忠直市長、海匝(かいそう)漁業協同組合の守部幸一常務理事、ちばみどり農業協同組合の鈴木一男代表理事組合長らと面談しました。避難所となっている市立飯岡小学校と飯岡福祉センターも訪れ、被災者の要望に耳を傾けました。各所で支援物資と義援金を手渡しました。 (関連記事)
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旭市は地震と大津波で全壊427戸、半壊335戸、一部損壊1503戸という大きな被害を受けました。
海匝漁業協同組合では守部常務理事が、津波による漁船の転覆が17隻、岸壁への乗り上げが29隻、破損が29隻に上り、今も漁がストップしている状況を説明。漁船と施設の被害総額は4億円近くに及ぶと語り、▽漁船被害と航路の調査・処理費▽使用不能漁船の解体費▽復旧までの経営対策▽漁港の原状回復▽組合施設の復旧費―への支援を要請しました。
志位氏は「要請はしっかり受け止めました。これまでの枠組みでは(漁船)保険しかなく、とても間に合いません。漁業被害は北海道から九州にまで及んでおり、従来の枠組みを超えた、国による一大プロジェクトで日本の漁業復興への支援と補償を行う必要があります。休業中の生活と営業の補償にも国が乗り出すことを求めていきます」と語りました。守部氏は「漁業に目を向けていただいて、ありがとうございます」と述べました。
続いて市役所で面談した明智市長は、322人が避難所で生活する中、仮設住宅200戸の建設が決まったものの時間がかかっており、「建設のスピードが速まるよう県と国にお願いしたい」と語りました。志位氏は「党県議団とも協力し、対応します」と応じました。住宅再建への国の支援の上限300万円も抜本的に引き上げさせたいと力を込めました。
明智市長が営業再建への取り組みが今後重要になると述べたのに対し、志位氏は中小企業や農林漁業への補償の制度がない現状を指摘。これまでの枠組みをこえ、復興に向けた国家的プロジェクトが必要だと応じました。
次に訪れた、ちばみどり農業協同組合では、鈴木代表理事組合長らが福島原発の放射性物質による被害の深刻さを訴えました。市独自の検査結果を受け、安全・安心な農産物を消費者に届けるために11品目の出荷を自粛したところ、それ以外の品目まで価格が暴落。作付け時期が目前なのに、つくっても売れるのかと不安が広がっていると訴えました。
志位氏は、国の責任で環境モニタリングを一元的に行い、汚染に関する情報をきめ細やかに開示して、風評被害を食い止める必要があると語りました。また、放射性物質による被害は人災だと強調。風評による被害も含めて、東電と国が全額賠償することを政府として宣言し、農家の不安を取り除くべきだと語りました。
鈴木氏は「出荷を止めている農家は収入がない。ぜひご支援をお願いします」と述べました。
日本共産党の中嶋誠県委員会書記長、笠原正実北部地区委員長、太田まさのり旭市議会議員、大森猛国会議員団南関東ブロック事務所長が同行しました。