2011年3月29日(火)「しんぶん赤旗」

原発避難者補償急げ

農水相“農家への仮払い検討”

参院予算委 大門議員


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(写真)質問する大門実紀史議員=28日、参院予算委

 「安全神話」のつけは国民の血税から。こんなデタラメが許されるのか―。日本共産党の大門実紀史議員は28日の参院予算委員会で、東京電力福島第1原発の放射能漏れ事故による深刻な被害をとりあげ、国による救済・支援を求めるとともに、東電の責任をただしました。

 大門氏は、農産物の出荷停止で自殺に追い込まれた農家の痛ましい事例など、具体的実態を現地調査をもとに告発。「福島県は地震、津波、原発、風評被害と四重苦に襲われている」として、すべての避難者を支援の対象とすることをはじめ、補償の立て替え払いや風評被害の防止、漁業者に対する失業対策などを提起しました。

 細川律夫厚労相は、「福島県全体が災害援助法の適用になっているので、(福島県のすべての避難者が)県の財政支援の対象になる」と答弁。鹿野道彦農水相は、農産物の被害補償について「仮払いのような仕組みを検討している」と表明しました。

 大門氏は損害賠償について、国と電力会社が結ぶ「政府補償契約」では、国の税金で1200億円まで損害賠償を肩代わりする仕組みになっていると指摘。「国民の税金で損害賠償したうえで足りない分を東電が払う仕組みだ。第一義的には東電に責任があるといいながら、これで国民は納得するのか」と追及しました。

 野田財務相は、「国民感情からすると理解できるかというのはある」といいながら、「第一義的には事業者が負うべきだが、払う順番は違うということだ」と弁明しました。

 大門氏は「東電は内部留保を2兆円持っている。まず東電に最大限払わせたうえでなければ、国民の納得は絶対に得られない」と強調しました。





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