2011年4月21日(木)「しんぶん赤旗」

漁業・農業“現場が主人公”の復興を

志位委員長 全漁連・JA全中と懇談


 日本共産党の志位和夫委員長は20日、東日本大震災と福島原発事故による被害実態と復旧・復興について、漁業では全漁連を訪問、農業ではJA全中の要請を受けて懇談しました。笠井亮衆院議員、紙智子参院議員(党・農林漁民局長)が同席し、JA全中との懇談では高橋ちづ子衆院議員(党・東日本大震災現地対策本部長)も同席しました。


全漁連

写真

(写真)全漁連の吉田博身代表理事専務(左から2人目)、長屋信博常務理事(その右)らから実情を聞く志位和夫委員長(右から2人目)、笠井亮政策委員長代理(その左)、紙智子参院議員(右端)ら=20日、東京都千代田区

 全漁連では吉田博身代表理事専務、長屋信博常務理事らと懇談しました。志位氏は党として被災者救援に全力を挙げつつ、復旧・復興への対策をまとめて提言する意向を表明。「被災の状況とご要望をうかがいたい」と述べました。

 吉田氏らは「生活と漁は一体です。海は生きている。被災地の漁業者はぼう然としているのではなく、船さえあれば魚を取りたいといっています」と被災地の状況を紹介。(1)漁場復旧のためのガレキ撤去(2)漁業者が漁船を手に入れる手だて(3)養殖施設の復旧―を一刻も早く国が支援してほしいと訴えました。

 5トン未満の船の建造費は国と都道府県で3分の2を負担しますが、「国の力で全額お願いしたいというのが現場の声です」と述べました。また「漁協なくして再建はない」として、津波で事務所や市場ごと流された漁協への支援も要請しました。

 志位氏が「急がれる対策の中身がよくわかりました。船の費用を全額国が持つことが現場の声だと受け止めて、政府に強く求めていきたい。漁業復興の主体は漁業者、その中心に漁協、という考え方が大事になってきますね」と述べると、吉田氏は「(政府は)机の上で計画をつくらず、地域の声をよく聞いてほしい」と応じました。

 原発対策では、絶対に海に汚染水を放出しない方策をとると同時に、国の責任でモニタリングを行って危険な海域、魚種を明確に示し、操業できない地域には東電と国が全面的な補償を行うべきだという点で意見が一致しました。

JA全中

 JA全中との懇談で志位委員長は、「災害全体のなかでも農業被害がたいへんに大きい。実態とともに全中の要望をうかがい、国会審議や政府への提言に生かしたい」と切り出しました。

 馬場利彦農政部担当部長は、JA全中の政府への第1次要請内容を紹介し、「被害地域が広く深刻であり、従来の枠組みでは復旧・復興がすすまない」と訴えました。

 再生可能な被害農地については国による買い上げと希望者への貸し付け、移転支援、復旧期間中の休業補償や雇用対策、減免税、燃料や電力の優先配分などを要請しました。

 原発事故については、農産物の出荷制限だけでなく風評被害が甚大だとし、茨城県では1日2億円の被害があることを紹介。「野菜や原乳を捨てなければならない。放射能の正確な情報とともに、事故がなかったら得られる収入や売り上げは全て補償対象であり、出荷制限指示農産物は早期に支払いすべきだ」と力を込めました。

 志位氏は、「要請は全面的に受け止めたい。正当な要求の実現のために全力をつくしたい」と応じました。

 政府の復興構想会議には農林水産関係者が参加していないことに話が及び、志位氏は「復興の主人公は農業者です。上から押し付けるやり方はとるべきではありません」と強調。JAをふくむ農業者の意見をふまえ、また参画して復興計画をつくっていくことの重要性が話し合われました。





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