2011年4月23日(土)「しんぶん赤旗」

第1次補正予算案、原発事故対応について

志位委員長


 日本共産党の志位和夫委員長は22日の会見で、政府が準備中の2011年度第1次補正予算案について、「歳出は、被災者救援のためのとりあえず必要な内容が盛り込まれるようだが、財源に問題がある」とのべ、年金の国庫負担引き上げに使う予定の財源を流用することについて、「二重に問題がある」と指摘しました。

 一つは、基礎年金の土台を崩すことによって、国民の年金不安をいっそう深刻にすることです。もう一つは、埋め合わせを「税制抜本改革」によって賄うとしていることです。志位氏は、「これは消費税増税とリンクする危険がある」と指摘。この財源論にくみするわけにはいかないと表明しました。

 志位氏は、復興の財源としては、首相への「提言」(3月31日)で提起してきたように、まずは今年度予算の抜本的組み替えで賄うべきであり、2兆円の大企業・大資産家への減税のバラマキの中止、歳出全般を見直し、不要不急の大型公共事業の中止、米軍への「思いやり」予算やグアムの米軍基地建設費の中止、政党助成金の廃止などで、復興財源をつくりだすべきだと主張しました。

原発危機収束の見通しは、政府が責任をもって示せ   

 記者団から、政府が福島第1原発事故について、「警戒区域」「計画的避難区域」を設定したことについて問われ、志位氏は、「現地に私もうかがったが、住民の方々の無念さと怒りはいかばかりかと思う。政府としてそうした措置をとった以上、避難先をどうするのか、家畜をどうするのかなど、住民の苦しみに心をよせた万全の体制を責任をもってとる必要がある」のべました。

 さらに、志位氏は、「原発被害の被災地の方々の最大の苦しみの一つは、先が見えないことにある。その点で、この間、東京電力が事故収束の『工程表』を発表したが、これは実行の裏付けが示されているものとはとうていいえない。そして、事故収束への戦略と見通しは、わが党がかねてから要求してきたように、政府が自らの責任において示すべきものであり、東電に『丸投げ』して政府がそれを追認するというのは、責任ある態度とはいえない」と指摘。政府として収束への責任ある見通しを示すことを求めました。





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