2011年4月23日(土)「しんぶん赤旗」

OECD

日本に消費税20%迫る

農業壊すTPP参加も


 経済協力開発機構(OECD)は21日、2011年版の対日審査報告書を公表し、民主党政権が進める大企業本位の「改革」の推進を求めました。

 日本の財政赤字解消のために、大企業や大金持ち優遇税制の解消には触れることなく、もっぱら消費税増税による歳入増を提起。消費税率を「20%相当まで引き上げることが求められるかもしれない」と指摘しました。

 菅政権の経済戦略の目玉である経済連携協定の推進について報告書は、農業を含む「包括的」協定であるべきだと提起。「食料輸入に関するより開かれた開放は、農業部門のリストラを後押しする」と強調し、環太平洋連携協定(TPP)への参加を迫っています。東日本大震災で深刻な打撃を受けている日本の農業に追い討ちをかけるものになっています。

 リーマン・ショック後の2008年から09年にかけての日本の雇用減少は非正規労働者が中心で、全体の3分の2を占めていました。深刻な事態の解消のため非正規労働者の正社員化を進める動きについて、報告書は「(企業の)費用を高め、全体として雇用を減らすことになるかもしれない」として否定的な姿勢を強調しました。一方、正社員に対しては、「実効的な雇用保護を減らす」ことを提起。日本の労働市場の不安定化を促進する提言となっています。





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