2011年4月23日(土)「しんぶん赤旗」
飯舘村は分散移転へ
計画避難 「家畜被害に補償を」
福島第1原発事故により計画的避難区域に指定された福島県飯舘村の菅野典雄村長は22日、記者団に対して、役場を福島市飯野町の旧飯野町役場に移した上で、住民の避難先として「福島市、伊達市、二本松市など飯舘村から1時間の圏内を検討している」と述べました。
同村は今後、乳幼児や妊産婦がいる家庭など優先順位を決めて段階的に避難を進め、5月中の完了を目指します。
合併協議から離脱し、「自立した村づくり」を進めてきた菅野村長は「原発事故が収束せず、先行きが見えない。村の再建はマイナスからの出発にならざるをえない」と無念さをにじませました。
比曽区の菅野啓一区長は「村の避難計画に協力する」と述べた上で、約2000頭の牛などの家畜の被害について「政府の補償・賠償がなければ、多くの農家は畜産や酪農を放棄せざるを得ない」と訴えました。
計画的避難区域は、強制的に立ち入り禁止措置を取ることができる「警戒区域」とは異なるため、一定数の村民が避難せず村に残ることも予想されます。
日本共産党の佐藤八郎村議は、避難する人、残る人双方に対して当面の生活資金を支給するよう村に要望しています。(竹下 岳)