2011年4月27日(水)「しんぶん赤旗」
見えぬ補償の中身
漁業深刻 宮城・浦戸諸島
共産党塩釜市議団が調査
日本共産党宮城県塩釜市議団(小野絹子団長)は26日、同市の浦戸諸島を視察し、漁協、避難所の要望を聞きとりました。支援制度を紹介した「手引」を住民に配付し、行く先々で生活相談に応じる場面もありました。 (池田晋、呉紗穂)
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同諸島は、松島湾に浮かぶ4島5集落からなり、人口は612人。ノリ、カキ、ワカメの養殖など、浅海漁業が主産業です。東日本大震災による津波などの被害は、23日の集計で、269戸のうち全壊および流失が110戸、大規模半壊および半壊が74戸。同諸島の約7割の世帯が、大きな被害を受けました。本州と結ぶ定期船は、今でも一部の島では回復していません。
懇談したJFみやぎ県漁協浦戸支所の千葉真澄運営委員長は、漁港の被害は総額で5億円にのぼると説明します。同諸島の漁業は、昨年のチリ地震による津波でも大きな被害を受けました。その被害から立ち直った直後の震災。「これまでに4回会合を開いて、1、2回目は誰も(再建に)うんと言わなかった。4回目でようやくみんなが合意した」と復興への意気込みを語りました。
再建に向けて一番困っているのは、「(災害救助法による)激甚災害の補償の姿がみえてこないこと」だといいます。チリ地震の際も激甚災害の指定を受けましたが、施設や漁具にかかる金額によって、補償の対象にならないものもありました。
党市議団は、「国会議員団とも連携して、早急かつ十分な補償が得られるように要求していきたい」と約束しました。同市議会は、今年2月にも補償対象の拡大を求める意見書を国に提出したばかりでした。
浦戸第二小学校・同中学校の避難所では、「水道と電気は回復したが、下水が使えないため家に帰れない。仮復旧ができないか」などの切実な要望が寄せられました。
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