2011年5月5日(木)「しんぶん赤旗」
排水能力の増強求める
紙議員に農水相が約束
|
日本共産党の紙智子議員は参院農林水産委員会(2日)で、東日本大震災の復旧に関し、梅雨や台風の季節までに排水機能を回復するよう求めました。
津波で排水設備や防波堤が破壊され、急がれている遺体捜索やがれき撤去も進まない状況にあります。紙氏は、耕作や出漁の早期再開を求める農漁民の切実な声を紹介し、「少なくとも国直轄のかんがい排水事業は直ちにやってほしい」と強調。大潮などで再び塩害を繰り返す可能性があり、排水能力の増強を求めました。
鹿野道彦農水相は、排水機場の一部ポンプの機能回復の緊急工事を6月中に完了し、残りのポンプも補正予算成立後に復旧に着手すると約束。排水能力増強にも「取り組んでいきたい」と答弁しました。
紙氏は、下流耕地の除塩に協力するために排水や耕作を中止した上流地域に対する救済が必要だとして、土壌復旧に10アールあたり3万5千円を支給する被災農家経営再開支援事業の適用を要求。また、国が米作から麦、大豆への作付け変更を奨励していることに関し、農機具の違いなどから「そう簡単にできるのか」と指摘し、不作の場合の救済を求めました。鹿野農水相は「現地の農家や関係者の意見を受けて対応を検討したい」と答えました。
イチゴ農家が切望している生産再開について紙氏は、土壌復旧に時間がかかるなか、「水耕栽培方式への支援があれば、すぐに再開できる」という声を紹介。鹿野農水相は「支援を検討していきたい」と約束しました。