2011年5月19日(木)「しんぶん赤旗」
首相、原発の再稼働容認
TPP推進を改めて表明
菅直人首相は18日、首相官邸で記者会見し、定期点検のため稼働を停止している原発について「現時点で、緊急的な安全措置が講じられたものについては、従来の方針に沿って安全性が確認されれば稼働を認めることになる」と述べました。
菅首相は、原発の維持か縮減・廃止かについて問われたのに対しても、「原子力のより安全な活用の仕方を見いだすなかで、さらに活用していく」と明言。原子力を推進する機関とチェックする機関がともに経済産業省に属している問題については、これから設置する予定の「事故調査委員会」に検討を委ねると説明しました。
東日本大震災前から政府が示してきた社会保障と税の一体改革、新成長戦略、包括的経済連携、農業再生などの「構造改革」路線の議論について菅首相は「危機を乗り越えるなかで20年近い低迷感から脱却していく」と述べ、再スタートする姿勢を示しました。
被災地の農林漁業再生と相いれない環太平洋連携協定(TPP)への参加について問われ、「昨年11月に閣議決定した基本方針の方向性は変えない」としました。震災復旧・復興に向けた2次補正予算については「現在の1次補正で不十分だとすれば考えないといけない」と述べるにとどまりました。
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