2011年5月20日(金)「しんぶん赤旗」

復興モデル強制だめ

山下氏 漁民の考え尊重を

参院総務委


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(写真)質問する山下芳生議員=19日、参院総務委員会

 日本共産党の山下芳生議員は19日の参院総務委員会で、東日本大震災の被害からの復興・街づくりについて「上からの復興モデルの押し付けは取るべきではない」と求めました。

 山下氏は委員会視察の際、宮城県女川町の安住宣孝町長が「漁民が浜辺に住むかどうかは漁民自身に議論してもらう。一方的にこうしなさいというのは、長い目で見るとマイナス」と述べたことを紹介。政府の復興構想会議が中間整理案で「漁業は集約化、大規模化を図る。漁港の整備再編、集約化も必要」としていることを、「上からの復興モデルの押し付けだ」と批判しました。

 片山善博総務相は、「地域の主体性、自主性、意思ができるかぎり尊重されるようにするというのが、復興の基本的な仕組みになるべきだ」と答えました。

 山下氏は、「宮城県漁業協同組合などから反対と懸念の声が出されている。上からの押し付けはやめるべきだ」と重ねて求めました。

 また山下氏は、女川原発を抱える安住町長が「(事故をうけ国と電力会社は)いろいろな事態に対応できるか検証してもらいたい。その上で判断する」と述べていることを紹介。自治体・住民との合意がないままに原発を再稼働することを認めるべきではないと主張しました。

 片山氏は、「原発立地県の知事が、安全が確認できないということを理路整然と不安・懸念を説明されれば、原子力安全・保安院が了承しても再開できない」と明言しました。

公務員たたく「改革」論誤り

山下氏質問

 日本共産党の山下芳生議員は19日の参院総務委員会で、大震災で公務員が住民の命と安全を守るために粉骨砕身の努力をしていることを強調し、「公務員バッシングが改革だという風潮を改めるべきだ」と主張しました。

 山下氏は、防災対策庁舎で津波警報の放送中に津波で流された宮城県南三陸町職員の遠藤未希さん(享年24)や、公用車での避難誘導中に津波に襲われた宮城県岩沼市職員の多田裕一さん(同31)などを紹介。「自治体職員として住民の命を守るために危険を覚悟の上で使命をまっとうされた」と述べました。

 片山善博総務相は、「公務員について批判が続き、まるで公務員全体が批判対象のようになってきたが、これは事実としては間違いだ」と明言しました。

 山下氏は、「自治体職員の行動の根底には、住民のために役に立ちたい、いい仕事がしたいという思いがあった。そのことをしっかりと見て、公務員をバッシングする、それがあたかも改革のような風潮は社会全体で見直すべきだ」と求めました。





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