2011年5月25日(水)「しんぶん赤旗」

介護保険法改定案

高齢者の重症化招く

高橋氏指摘に参考人強調


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(写真)質問する高橋ちづ子議員=24日、衆院厚生労働委

 24日の衆院厚生労働委員会で介護保険法改定案についての参考人の意見陳述と質疑が行われました。

 東京介護福祉労働組合の田原聖子書記長は、被災地の介護サービスが確保されるまで法案を凍結し、その後で十分な審議を行うよう求めました。介護職員による医療行為の解禁について、職能を超える労働強化となり、離職を増やしかねないと指摘しました。

 立教大学の服部万理子教授は、24時間巡回型訪問介護・看護の創設について、サービス量に関係なく事業者への報酬が一定となる「包括払い」では、利用回数が制限されると懸念を表明しました。

 日本共産党の高橋ちづ子議員は、法案が財政的な思惑から、市町村の判断で要支援者へのサービスを「専門のホームヘルパーでなくボランティアに任せてしまえる」仕組みを含んでいると指摘。ヘルパーによる生活援助や専門労働の重要性について質問しました。

 服部氏は、ヘルパーによる生活援助を抑制したら、「くらしが成り立たず重症化につながる」と強調。田原氏は心身の状態も把握して支援する専門労働の重要性を強調し、「ヘルパーの専門性をこれほど否定した政策はない」と述べました。

 高橋氏はまた、解禁される医療行為について、法案に明示された「たんの吸引」以外は省令で拡大できることを批判。看護職員不足を介護職員で補い、介護職員の負担をさらに重くするものではないかと問いました。

 日本訪問看護振興財団の佐藤美穂子常務理事は「(介護職員による医療行為を)やみくもに拡大することには不安が残る」とし、田原氏は「(解禁に)反対だが、それでもやるなら医療関係団体が了承できる最小限にとどめてほしい」と述べました。





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