2011年5月26日(木)「しんぶん赤旗」
存亡の危機 国は対応早く
被災地の産業代表切々と、衆院復興特委
TPP、水産特区に批判
「国の対応は遅すぎる」――。衆院東日本大震災復興特別委員会は25日、青森、岩手、宮城、福島、茨城の被災5県の商工業、農業、漁業団体の代表を招いての参考人質疑を行い、国への強い要望が出ました。日本共産党からは塩川鉄也、高橋ちづ子の両議員が質問に立ちました。
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塩川・高橋議員が質問
「原発事故は人災であり、いかなる『風評被害』をも補償すべきだ」と力を込めたのは、JA福島中央会の庄條徳一会長。原発事故の早期収束と速やかな補償を求める声が相次ぎました。同県商工会議所の瀬谷俊雄会長は、業者は「存亡の危機にある」と訴え、原発被災地への特別の対応を求めました。
JA茨城県中央会の成田治彦常務理事は、原発事故の影響で販売額が昨年比58%に落ち込み、東電に賠償を請求しているが「音沙汰がない」と憤り、政治の対応を求めました。
深刻な被災業者の債務問題の解決について、買い取りなど特別な対応を求める声が噴出。茨城沿海地区漁連の今橋一也専務理事は「漁業再開には再度の借金をしなければならない」と特別の対応を要求。青森県商工会議所の林光男会長は「仮設店舗を借りて三重債務の人もいる」と述べ、国などによる債務買い取りスキーム(枠組み)を求めました。
「業者は困っている。大規模な2次補正を早急に決めてほしい」(岩手県漁連の大井誠治会長)と速やかな2次補正予算を求める声が相次ぎました。
「この機会に中小企業を見直して私どもに力を与えてほしい」(千葉庄悦岩手県商工会連合会会長)、「自給率を上げることが必要だ。TPP(環太平洋連携協定)は絶対やめてほしい」(JA青森中央会の工藤信会長)との声もあがりました。
宮城県の村井嘉浩知事が打ち出した漁港集約と企業参入の「水産業復興特区」について「漁業者は全員一致で反対だ。ばかにするな」(宮城県漁協の木村稔経営管理委員会会長)と厳しい批判の声があがりました。
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