2011年5月29日(日)「しんぶん赤旗」
“憲法もとに震災復興”
生存権裁判でシンポジウム
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「大震災からの復興と人間らしく生きる権利の保障を」考えるシンポジウムが28日、東京都内で開かれました。主催は、生活保護の老齢加算復活を求めている「生存権裁判を支援する全国連絡会」。約180人が参加。同会会長の井上英夫金沢大学教授は「生存権裁判は、被災者の人間としての復興、権利の保障につながる運動だ。胸を張ってがんばろう」と呼びかけました。
シンポジウムでは、布川日佐史静岡大学教授、松崎喜良神戸女子大学教授、黒岩哲彦弁護士が発言。
布川氏は、リーマン・ショック後に失業問題が長期化するなかで大震災がおき、生活困窮者が急増することを指摘し、「彼らを私たちの運動の仲間にして、生活保護受給額の減額を許さず、援助サービスを保障させるべきだ」と述べました。
松崎氏は、阪神・淡路大震災で今なお孤独死や二重ローンに苦しむ事例をあげ、「再開発型復興は失敗だった」と批判。「東日本大震災では、憲法の生存権にもとづく復興を」と強調しました。
東京都に避難する被災者の支援活動に携わる黒岩氏は、行政に避難所の待遇改善をさせた経験から「震災の復興もたたかいが必要だ」と力をこめました。
医療・労働など各分野の代表は、震災を口実に政府や財界が、消費税増税や生活保護切り下げ、労働法制改悪を狙っていることを、厳しく批判しました。