2011年6月1日(水)「しんぶん赤旗」
TPP参加許されない
紙議員「被災者の願いに逆行」
参院農水委
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日本共産党の紙智子議員は31日の参院農林水産委員会で、菅直人首相や松本剛明外相が、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加を推進する発言を強めていることを取り上げ、国民生活と農業を破壊するTPP参加は許されないとただしました。
26日の日米首脳会談で菅首相はTPP交渉参加について「早期に判断したい」と発言。松本外相も同日の講演で「日本の意向を交渉にいかせる早いタイミングを選ばないと意味がない」と早期の交渉参加を主張していました。
紙氏は、全国農業委員会会長大会でTPP交渉参加の撤回を求める決議をあげたことを紹介し、発言をどう受け止めているのかと質問。鹿野道彦農水相は「総理は、被災地の農業の復興を踏まえて判断の時期を述べている」と答弁しました。
紙氏は「震災復興をTPP参加の口実にする動きがあるが、外相の講演はまさにそのもの」と指摘。松本外相がTPP対応と称して、大多数の農家を切り捨てる農林水産業の経営の大規模化や参入機会拡大まで主張していることを批判しました。
鹿野農水相は「私自身が最終的に判断し、その判断が内閣全体の判断になるよう努力する」と松本外相の発言を批判しました。
紙氏は、一連の発言の背景に、被災地域を「震災復興特区」として「構造改革路線」を進める日本経団連の「復興・創生マスタープラン」の考え方があると指摘。「被災地域、被災者の願いに逆方向の話で絶対に許されない」と強調しました。