2011年6月6日(月)「しんぶん赤旗」
河川・湖沼は汚染深刻
10年 環境保護省が報告
中国
【北京=小寺松雄】5日の世界環境デーを前に、中国の環境保護省は3日、2010年の中国の環境状況について「好転はしているが、依然として深刻」とする報告を発表しました。
李干傑次官は会見で水をめぐる環境を中心に報告。7大河川の汚染度について、▽長江(揚子江)、珠江=全体的に良好▽松花江、淮河=軽度の汚染▽黄河、遼河=中度の汚染▽海河=重度の汚染―と指摘しました。
重度汚染とされた海河は、北京・天津を流れ、流域工業地帯からアンモニア、マンガンなどの汚染物質が流れこんでいます。
周生賢環境保護相は昨年秋、「全国の河川汚染物質の10%が海河に集中している」と指摘していました。
湖沼・ダム湖の富栄養化問題は依然として深刻で、観測した26カ所中11カ所でアオコの発生を中心とした富栄養化現象がみられました。
富栄養化が最もひどいとされる太湖は工業発展が著しい上海、江蘇省、浙江省の境界付近にあります。湖底に1メートルのヘドロがたまり、アオコの異常発生で魚類の生産は最盛期の3分の1に落ち込んでいます。
会見で李次官は、河川や湖沼の汚染被害が集中している農村部への対策に言及。「2010年までの3年間に投入したのと同じ40億元(約500億円)を今年1年の農村環境経費とし、水資源の浄化をはかる」と述べました。