2011年6月7日(火)「しんぶん赤旗」

蕨市長選 頼高氏再選

「ともに歩む」市政評価

公約95%実現・着手/幅広い市民が支援


 5日投開票された埼玉県蕨(わらび)市長選では、「フレッシュみんなの会」の推薦する頼高(よりたか)英雄氏(47)が再選を果たしました。同日投票の市議選の立候補者20人中13人の支援を受けた新人候補を9000票近い大差をつけての勝利です。 (埼玉県・林秀洋)


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(写真)結果を報告する頼高英雄市長(右)に次々と握手を求める通りがかりの市民=6日朝、埼玉県蕨市のJR蕨駅西口

 全国で最も面積の小さい市である蕨市(面積5・1平方キロメートル)。人口約7万3000人。中山道の宿場町として栄えた歴史の古いまちで、町内会など地域の各種団体が活発に活動しています。4年前、日本共産党の市議を3期つとめた頼高氏は市政の転換を掲げ、市民の期待を受けて初当選しました。

 今回の選挙で、自民党などが推す相手候補の三輪一栄氏(64)の陣営は「『自民対共産』の構図を鮮明にした選挙戦を描く」(5月27日付埼玉新聞)との方針のもと、「共産党市長はダメ」との宣伝を繰り返しました。

実績・人柄評価

 頼高氏は1期目の4年間で▽JR蕨駅へのエレベーター設置▽中学卒業まで医療費無料化▽市立病院の経営黒字化▽市の借金残高削減―など、4年前に打ち出した「あったか市政」の公約の95%を実現・着手。着実に成果をあげてきました。

 さらに頼高氏は(1)防災・防犯・環境など安全安心(2)にぎわいと活力(3)子ども・高齢者・障害者にやさしいまち―を2期目のビジョンに掲げ、希望と活力あふれる蕨をめざすと訴えました。一方の三輪氏が最重点に掲げたのは、JR蕨駅西口再開発を大規模に実施するというもの。大きな建物を造ればまちが発展するという、全国で破綻しているやり方を繰り返すもので、古い市政への逆戻りでした。

 頼高氏当選の報を聞いて事務所に駆けつけた事務員女性(53)は「自分は保守だ」と前置きし、「駅エレベーターの実現など、頼高市長に代わって市政がいい方向にどんどん変わっていきました。だからこそ応援しました」と再選を喜びました。

 行政手腕に加え、いつも笑顔で気軽に市民の会合にも出席する頼高氏の人柄も高い評価を集めました。町内会のつながりで、三輪氏を支援した市議候補の事務所に参加している人たちからも「市長選は頼高に入れる」という声が広がりました。同市中央在住の会社員男性(45)は大差での頼高氏再選について、「相手候補は頼高さんへの悪口ばかりで、かえってマイナスになったのではないか。市民はしっかり見ていたと思う」と話します。

演説に共感、涙

 象徴的だったのが選挙戦終盤、両陣営が同じJR蕨駅西口で開いた街頭演説でした。2日の三輪陣営の街頭演説には麻生太郎元首相や自民党国会議員と県議、保守系無所属と公明党の市議候補13人がずらりと顔をそろえて頼高氏の攻撃を繰り返しましたが、聴衆の拍手はまばらでした。

 一方、3日の頼高陣営の街頭演説では、多彩な市民が頼高氏を応援する演説をしました。頼高氏の「市民とともに前進してきた市政を『奪還する』という相手候補は、市政をどこに持っていこうというのか。私はこれからも蕨市民のみなさんとともに歩んでいきたい」との訴えに、大きな拍手がわきおこりました。両方とも見たというタクシー運転手は「相手候補のように汚くののしらず、理路整然とした話で中身も良かった。心に染み入るような話で、聞いていて涙が出た」と頼高氏の運動をしている人に話しかけてきました。

 5日午後10時半すぎ、当選確実の報が届いた頼高事務所は歓喜の声にあふれました。頼高氏は記者団のインタビューに答え、「この4年間進めてきた、市民の暮らしを支え心が通う『あったか市政』、市民とともに歩む市政を評価されたのが大変うれしい。全国に誇れる蕨のまちづくりに取り組んでいきたい」と2期目への決意を述べました。

 開票から一夜明けた6日朝、頼高氏はさっそくJR蕨駅西口に立ち、選挙結果を報告。通りがかる人たちが次々と「おめでとう」「よかった」と声をかけ、頼高氏と握手をかわしていきました。

 同日程の市議選では、日本共産党の4市議候補も全員当選しました。頼高市政に切実な願いを届け、さらに前進させる党市議団の役割を語るとともに、事実に反する口汚い市政攻撃を許さず、市政をさらに発展させようと訴え、市民との共同を広げました。

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