2011年6月8日(水)「しんぶん赤旗」

義援金理由に生活保護打ち切り

収入扱いしないで

福島・南相馬


 東日本大震災で大地震と大津波で被害にあい、さらに東京電力福島第1原発事故で警戒区域、緊急時避難準備区域、計画的避難区域、該当ない区域と四つの区域となっている福島県南相馬市。義援金や東京電力からの賠償金仮払いなどを受け取ったことを理由に生活保護の打ち切りや停止が相次いでいます。


政府答弁とも食い違い

 日本共産党の荒木ちえこ南相馬市議には5件の相談が寄せられており10日に南相馬市と交渉することにしています。

 同市の夫妻は、義援金が収入とみなされて5月27日に生活保護を打ち切られました。

 「生活保護を打ち切られると医療費などがかかり義援金を返還しても保護は打ち切らないでほしい」と訴えています。

 夫(70)は、心筋梗塞の持病があります。「胆のうを切除する手術もしています。月に1回の通院と投薬が必要で生活保護は命綱。6月3日に入る予定だった保護費が入らず困っています」といいます。「東電の補償金はあくまで仮払い。当てにはならないお金。返納してでも生活保護を継続してほしい」といいます。妻(68)も大腸がんの手術をして内科に通院しています。「不安で眠れません」と一方的な打ち切りの通知に苦しんでいます。

 日本共産党の赤嶺政賢議員は4月13日の衆院厚生労働委員会で義援金を生活保護の収入として認定しないように求めました。細川律夫厚労相は「被災者は必要なものを用意する自立更生に義援金を当然使うだろう。収入にはならないと処理されていくと思う」と答弁していました。

 全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は5月20日に厚生労働省と交渉し「見舞金や支援金は震災による精神的苦痛を緩和し慰労する趣旨が大きいので収入認定をしないでほしい」と要求。担当者は「見舞金や支援金など自立更生のための費用については収入認定をしない」と回答しています。

 荒木ちえこ市議は「市のやり方は一方的な決定を押し付けていて被災した市民に寄り添う姿勢がありません。国会での厚労相の答弁とも違っておりおかしい。是正させたい」と話しています。 (菅野尚夫)





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp