2011年6月9日(木)「しんぶん赤旗」
コメ包括的委託やめよ
紙議員 「食の安全」国の責任ただす
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日本共産党の紙智子議員は7日の参院農林水産委員会で、政府米の保管やカビ確認など米の包括的民間委託の問題点をあげ、「『食の安心、安全』に万全を期すのが農水省の役割。包括的民間委託はやめるべきだ」と主張しました。
米の包括的委託は、昨年の通常国会で廃案になった農水省設置法改定案に盛り込まれていたもの。紙氏は、農水省が昨年10月から法令の改定もせず実施したことを批判。「2008年に汚染米が食料米として流通した事件は政府の管理不備によるもの。事件を反省するのなら食の安全に今まで以上に国が責任を持つべきだ」と求めました。
紙氏が委託事業者名などをただしたのに対し農水省は、住友商事(外国産米穀取扱数量=70万トン)、三菱商事(70万トン)、日通グループ(20万トン)の3社が受注し、さらに720社に保管、運送、カビ確認、カビ毒検査、変形加工などの業務を再委託していることを明らかにしました。
紙氏が、汚染米事件では政府が検査しても見抜けなかったとして「3社と720社の民民の契約で指導監督できるのか」とただすと、篠原孝農水副大臣は、国は報告を受けるとともに検査もできるなどと答えました。
紙氏は、対応は事後チェック、検査は書類検査だけなどの問題点をあげ、「これで『食の安心、安全』を守ることができるのか」と追及。鹿野道彦農水相は「指摘の点はしっかり取り組まなければならない」と答えました。