2011年6月17日(金)「しんぶん赤旗」
B型肝炎北海道訴訟
国が合意先延ばし
札幌地裁
集団予防接種の注射器使い回しが原因でB型肝炎ウイルスに感染した被害者が、国に損害賠償を求めているB型肝炎北海道訴訟の22回目の和解協議が16日、札幌地裁(石橋俊一裁判長)でありました。期待されていた和解の基本合意はなりませんでした。
原告側弁護団によれば、国側は、首相の謝罪内容や恒久対策など、いくつかの点で原告側の提案に難色を示し、早期の和解成立を求める患者らの願いに背を向けました。次回の和解協議は24日に行われます。
原告団からは、怒りと落胆の声が上がりました。発症後20年を経過した原告の女性(57)は「ここに至るまでに、無症候性キャリアーの人たちが苦渋の選択で合意案をのみ、私たちも早期解決のために(救済の対象から除外する)合意案を受け入れました。しかし、国は基本合意どころか、財源のための増税論を持ち出してきました。とても納得することができません」と憤りを語りました。