2011年6月20日(月)「しんぶん赤旗」

食料高10年継続へ

国際機関報告 低所得層に影響


 世界的に高騰する農産物価格について、経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)は17日、2011年からの10年間も高い水準が続くとする報告書を発表しました。低所得層に影響が出るおそれがあるとして、各国に対策を求めています。


 報告書は、世界各地で干ばつや洪水が相次ぎ食料価格が急上昇した昨年・今年に比べ、今後は農産物の生産が改善し価格は下がると予測。それでも11〜20年は平均して、その前の10年間よりも穀物で2割、肉類で3割、値段が高くなるとしています。

 世界の農業生産高の伸びは11〜20年に年1・7%のペースにとどまり、01〜10年の年2・6%より鈍くなります。一方、東欧やアジア、南米を中心に個人収入が増え、1人当たりの食糧消費は増大するといいます。

 また原油価格の高騰を受け、より多くの農産物が食料ではなくバイオ燃料の原料に振り向けられる傾向も続くとみています。

 OECDのグリア事務総長は会見で、「発展途上国の低所得層は収入の大部分を食料購入にあてており、(価格上昇により)破壊的な影響を受ける可能性がある」と指摘。各国に対し、途上国での生産力向上や農村の生活改善のための支援などを求めています。





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