2011年6月25日(土)「しんぶん赤旗」
強権的調査に頼るな
大門議員 租税罰則強化で指摘
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日本共産党の大門実紀史議員は21日の参院財政金融委員会で、所得税法等改正法案に盛り込まれた租税罰則強化による納税者への影響について質問しました。
法案は、故意に税逃れをするために税務申告を行わない不正に対して新たな罰則を設けました。脱税犯ではなく刑の軽い秩序犯でしか処罰できない現行法を見直すもので、FX(外国為替証拠金取引)などの金融取引で多額の所得を得ながら申告せず、故意に税逃れをする事例が増えていることに対応したとしています。
大門議員は今回の罰則強化が税務署による任意の税務調査に及ぼす影響について質問。野田佳彦財務相は「今回の罰則規定は、国税犯則取締法に基づく査察調査において適用されるもので、査察は犯罪としての立証の見込み、悪質性の高さを考慮して行われる。任意調査は適正な課税が目的で、根拠法令も査察と異なる。本規定の創設で税務調査が厳しくなることはない」と答弁しました。
大門議員は「いったん法改正されると『FXで何億円もの無申告』という極端な例以外でも適用される」として、1962年に本規定の創設が検討された際、犯意の立証が難しいため創設が見送られた経緯なども紹介し、「万が一にも自白や強権的調査に頼ることはあってはならない」と強調しました。