2011年7月6日(水)「しんぶん赤旗」
第3回中央委員会総会
志位委員長の結語
日本共産党の第3回中央委員会総会で4日、志位和夫委員長がおこなった討論の結語は次の通りです。
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みなさん、2日間の会議、ご苦労さまでした。この総会ではのべ60人の同志が発言しました。全国では、インターネット中継で6134人が視聴し、395人から感想が寄せられています。
討論は、幹部会報告を正面から受けとめ、全党の実践によって深めるものであり、全体として、率直で、明るく、活気にあふれる、すばらしい内容となったと思います。とくに、第25回党大会で新しく中央役員に選出された若い同志と地方議員の同志の奮闘ぶりが、生きいきと反映された討論となりました。
戦後最悪の危機のなかで日本共産党の存在意義が浮き彫りになった
この中央委員会総会の最大の特徴は、幹部会報告と討論をつうじて、大震災と原発事故という戦後最悪の危機のなかで、日本共産党の存在意義が浮き彫りになったというところにあると思います。
被災地の党組織の同志からは、一人ひとりの被災者の苦難に心を寄せ、救援・復興のために献身的な奮闘を続けている日本共産党の姿が語られましたが、そのどれもがきわめて感動的なものでありました。
ある県委員長は、「震災救援活動をつうじて、日本共産党とは何か、党員はどうあるべきかを、教えられました」とのべ、被災地の同志の奮闘ぶりを紹介したうえで、「この活動を突き動かすものは何か。私心なく人間らしい生活を求めてたたかう、最も人間的でヒューマンな姿です。その集団が日本共産党です。共産党がいまあることは、日本の未来にとっての宝です」と、党への誇りを語りました。
被災地への支援にとりくんでいる全国の党組織と党員が、勇気と元気をもらっているということもたくさん報告されました。ボランティアにとりくんだ党員が「励まされた」「人生観が変わった」とのべ、たくましく成長していることがこもごも語られました。いっせい地方選挙で惜敗した前議員の同志が、発言のなかで、「ボランティアにかけつけて現地での救援にとりくむなかで、落選の傷心を克服する大きな転機となりました。捲土(けんど)重来の決意を固めました」と、力強く語ったことも、みんなが印象深く聞いたと思います。
この戦後最悪の危機にさいして、被災地と全国の党組織が心一つに危機に立ち向かい、温かい全国的連帯がひろがっています。その根本にあるものは何か。それは、わが党の同志たちが「国民の苦難軽減に献身する」という立党の精神を共通の志にしている。ここにあるわけです。そのことを、感動的に明らかにしたのが、この総会だったと思います。こうした全国的な連帯と支援をさらに発展させようではありませんか。
そして、こうしたわが党の活動は、いま、国民の中に起こっている変化とも共鳴しあっている活動です。いま、多くの国民が、被災地の深刻な実態を見て、「自分も何かしたい」、「被災者の力になりたい」、そういう思いを強め、行動に立ち上がっています。これまで「自己責任」論を押し付けられ、分断を押し付けられていた国民の中にも、それを乗り越える温かい社会的連帯の流れが起こっています。この国民的な流れとわが党の立党の精神が響きあっている。それが力強く示された総会となったのではないでしょうか。
「原発ゼロの日本」――日本社会の姿かたちを変えるたたかい
討論では、多くの同志から「原発からの撤退」をめざすとりくみが報告され、この問題での国民的討論と合意をめざす決意が語られました。
幹部会報告では、今回の「原発撤退提言」について、「日本共産党の半世紀にわたる先駆的な活動の蓄積のうえに、それをさらに発展させたもの」だとのべました。この「先駆的な活動」という場合、それはもとより、国会質疑や中央段階のとりくみだけではありません。討論の中でたくさん語られたように、この間、全国各地で、原発の危険に反対し、住民の安全を守る無数のたたかいが行われてきました。それがいま、大きな生命力を発揮しているわけです。ここにも全党が大いに確信と誇りを持ち、この大闘争をたたかいぬこうではないかということを、訴えたいのであります。
幹部会報告でものべたように、このたたかいは日本の政治のゆがみを大本から正すたたかいです。ですから、私たちの行く手には激しい抵抗も予想されます。しかし、このたたかいをやりぬき、文字通りの「原発ゼロの日本」への道を開けば、それは、いまの日本社会の姿かたちを変えることになるでしょう。そういう綱領的展望を持って、この歴史的たたかいに意気高くとりくもうではありませんか。
なお、幹部会報告で、「現在の科学と技術の発展段階では、『安全な原発などありえない』。このことをはっきりと言わなければなりません」とのべたことにかかわって、一言指摘しておきます。軽水炉以外のさまざまな型の原子炉が研究されているようでありますが、これは、どれも研究の段階であって、完成されたものではありませんし、実用化されているものでもありません。私たちは、そこにこの問題の活路があるとは考えていないということを、のべておきたいと思います。
「党勢拡大大運動」――強く大きな党は、全党のみなさんの要求
幹部会報告で提案した「党勢拡大大運動」は、討論でも、全国からの感想でも、たいへん積極的に受け止められ、歓迎されています。
党員拡大を中心に強く大きな党をつくりたい。何としても党の世代的継承をはかりたい。これは、全党のみなさんの痛切な願い、要求にもなっていると思います。討論の中では、「強く大きな党となることを、多くの党員が渇望している」という発言もありました。
「党勢拡大大運動」を成功させるうえで、私は、討論をふまえて、六つの点をのべておきたいと思います。
大震災、原発問題――全党がとりくんできた問題の綱領的位置づけを明りょうに
第一は、幹部会報告の全体の構成の特徴をよくつかんで、「党勢拡大大運動」に生かしていただきたいということです。
私たちは、とくに、つぎの二つの点に留意してこの報告をつくってきました。
一つは、大震災と原発事故という、この間、全党が総力をあげて立ち向かってきた国政の大問題について、どんなとりくみをおこなってきたかを明らかにするとともに、それぞれのもつ綱領的位置づけを明確にしたことであります。
たとえば、大震災からの救援・復興については、被災者の立場に立った災害対策をすすめるのか、それとも財界の青写真の上からの押し付けか、こういう鋭い対決が問われるもとで、「ルールある経済社会」をめざすたたかいの重要な一つとして、これを位置づけて奮闘するということを強調しました。
原発問題では、「原発からの撤退」をめざすたたかいが、「ルールなき資本主義」の“原発版”から脱却し、エネルギーの対米従属を打破していく、綱領的な意義をもつたたかいだということを明らかにしました。
全国からの感想では、この間、全党が4カ月近くにわたって、正面からとりくんできた課題について、綱領的にその位置づけが明確にされたことで、勇気と展望がわいたという、たくさんの声が寄せられています。
幹部会報告の全体が、「党勢拡大大運動」の政治的意義を浮き彫りにしている
いま一つは、幹部会報告の全体が、「党勢拡大大運動」にとりくむ政治的意義を浮き彫りにするものとなっているということです。
幹部会報告の第1章、第2章、第3章のすべての政治論から出てくる結論は、「強く大きな党が必要」だということにほかなりません。そのうえで、第4章で、「党勢拡大大運動」を提案していますが、その意義をのべた「四つの角度」も、すべてが太い政治論になっていることに注目をしていただきたいと思います。すなわち、今日の情勢とのかかわり、選挙とのかかわり、党史や綱領とのかかわり、党建設の全体のなかでの「党勢拡大大運動」の位置づけ、これらを太く政治論として語っています。
とりわけ、そのなかで、「第一の角度」としてのべた、「新しい政治への国民的探求を促進する力量ある党をつくることを、日本の情勢が強く求めている」という部分は、「二大政党」づくりとのたたかいの到達点をどう見るのか、それとの関係で党勢拡大の意義はどこにあるのか、このことを凝縮した形で明らかにしたものであり、幹部会報告の全体の政治論の結論ともいえる内容が、ここでのべられていることに注目していただきたいと思います。
情勢が、強く大きな党を求めています。「党勢拡大大運動」を、「遅れているから大変だ」というのではなく、楽しく展望ある活動としてとりくもうという発言がありましたが、まさにその見地で、この運動を成功させるために力をつくそうではありませんか。
いっせい地方選挙からの教訓の核心が、討論をつうじて深められた
第二は、いっせい地方選挙の教訓と「党勢拡大大運動」のかかわりについてであります。幹部会報告では、各都道府県委員会、地区委員会が、いっせい地方選挙から総括と教訓を引き出す過程で、選挙戦の個々の問題点を明らかにするとともに、その根本に「自力の問題」があることを深くつかんでいった。ここにたいへん大事な教訓の核心部分があると受け止め、全党に報告しました。討論では、この提起がさらに深められました。
選挙で、勝利をかちとれなかったところでは、総括の過程でさまざまな意見が出されます。ある地区委員会では、最初は「誰のせいだ」という意見がたくさん出て、地区委員長さんは「針のむしろ」だった。しかし総括を深める中で、やはり「自力の問題」だということになり、それなら党員拡大に踏み出してみようということになった。前議員の同志が先頭にたって足を踏み出してみたら、つぎつぎに働きかけた方が入党する。「こんなに党に入るなんて」という驚きが広がり、前向きの団結がはかられたという発言でありました。ここには、たいへんに大切な姿勢が示されていると思います。
県議会の議席を失ったある県の前県議の同志は、発言でこのようにのべました。「最初はお互いを責め合うような発言も続きましたが、議論を重ねるなかで4年後を考えたら、いま大きな党をつくらねばとなりました。悪循環ということを支部でたくさん聞いてきましたが、『好循環』という言い方があるんだなと思いました。『党勢拡大大運動』が支部でどう受け止められるか、わくわくしながら地元に帰りたい。しゃべりながら決意が固まってきました」。多くのみなさんが共感と激励の気持ちでこの発言を聞いたと思います。
いっせい地方選挙の結果とのかかわりでは、こういう前向きな姿勢で教訓を引き出し、党の団結を固め、広く打って出る必要がある。このことが討論で深められました。
党員拡大――「全地区の運動」から「全支部の運動」への条件はある
第三は、討論では、党員拡大について、2中総決定にもとづく全党のみなさんの努力のなかで、新しい前進が始まっているということが、いろいろな形で示されました。とくに、この5月、6月に、全国すべての地区委員会で新しい党員を迎えたことは、たいへん重要な前進の一歩です。そして、「党勢拡大大運動」は、そのようにして始まった前進を、大きく飛躍させようという自然な運動の発展の提起となっていると思います。
岩手県委員長の同志は、「全地区が党員を迎えるという方針は、面白さと味がある」とのべました。「岩手県は、小さい地区が多数で、党員拡大がすすまない状況があった。それが全地区でやろうという2中総の提起で、変化が起き、党勢が少ない組織での底上げがつくれている」とのべ、党員拡大を、地区委員会単位の運動から、全支部の運動に発展させる決意を語りました。
奈良県の奈良地区委員会では、いっせい地方選挙後、「何としても自力をつけねば」という思いで、党員拡大が大きくすすみ、大会後でみると過半数の支部が入党者を迎えたという報告でした。ここでは「三つの一体」――「支部と一体に」、「日刊紙拡大と一体に」、「集いと一体に」――ということを合言葉にしてとりくんでいるとのことでした。本格的な構えで拡大運動をはじめたところでは、こうした創意的なとりくみが、多彩な形で始まっているということが、こもごも語られました。
大阪府委員長は、2中総決定をうけて、昨年11月から全地区で入党者を迎え、今年3、4月は中断しましたが、5、6月はまた全地区で入党者を迎え、党大会後、党員拡大は最大規模となり、飛躍への兆しが生まれている、全支部の運動にできるかどうか、これからが勝負どころだと発言しました。
福岡県の副委員長は、実態のない党員の問題を解決する中で、一人ひとりの党員が置かれている実態が手のひらにのるようになり、ある地区では党費納入率が99%以上になった。そして、党費、日刊紙の購読、中央決定の読了の三つの分野で、文字通り「100%の党」をつくりたい、その展望が見えてきたと語りました。この姿勢はきわめて重要であります。こうした“日本共産党らしい党づくり”と一体に「党勢拡大大運動」の成功をかちとりたいと思います。
「全地区の運動」から「全支部の運動」へと、党員拡大運動の大飛躍をかちとる――客観的にも主体的にも、その条件は大いにあることに確信をもってがんばろうではありませんか。
青年・学生――若い世代の中に起こっている変化に大胆に働きかける
第四は、青年・学生の中のとりくみについて、一連の発言の中で、前進は可能だという確信をあたえてくれる先駆的な活動が報告されました。発言を聞いて、学ぶべき内容がたくさんあると感じましたが、3点ほどのべます。
一つは、大震災と原発事故という危機のもとで、青年・学生の中に起こっている変化であります。多くの若者が、「何ができるか」「どう生きるか」について真剣な探求を始めています。ボランティアにも多数の若者が参加しています。これまで分断されていた若者たちの中に社会的連帯の流れが起こっているのであります。若者らしい正義感、知的敏感性が、危機の中で発揮されつつあります。この変化に働きかければ、いま多くの若者を革新的に結集し、日本共産党に迎え入れる条件は大いにあるということが、討論をつうじても浮き彫りになったのではないでしょうか。
二つ目は、党のもてる力を総結集することです。一連の発言の中で、2中総決定にそくして、民主的教員との協力・連携によって学生支部や民青同盟を再建したさまざまな教訓が語られました。とくに「社会科学研究会」や「自主ゼミナール」など、学ぶ活動での協力が、大きな力を発揮しています。わが党と協力の関係にある民主的教員は、かなり分厚い層があります。そういう方々の力を借りてこの事業にとりくむならば、大きな可能性があることが討論で示されたと思います。大学当局に、党として申し入れや懇談をおこなう、大学予算の問題、就職難の問題など話しあう、その中でいろいろな協力や前進がはかられる。そうしたとりくみが、学生党支部を再建するうえで、大きな力になっていることも報告されました。
三つ目は、「綱領・古典の連続教室」に、正面からとりくんだところで、日本共産党と民青同盟の魅力を大きく高め、党員や民青同盟員の拡大につながっているということです。ある県からは、「連続教室」について、アルバイトなどで、あの時間帯では視聴できない学生のみなさんに、土曜日の決まった時間に視聴する「学生教室」を独自にもって、そこでみんなで見て感想を交流するというとりくみを始めたことが、大きな力を発揮しているという報告がありました。これまでは民青同盟の魅力といえば、「交流ができる」ということしかなかなか語れなかった学生が、この「学生教室」のとりくみをへて、綱領や科学的社会主義を学ぶ面白さを一生懸命に語り、加盟をうながす力になったとのことでした。
幹部会報告では、青年・学生分野について、「戦略的に位置づけるとともに特別の手だてをとろう」と訴えました。ぜひ、2日間の討論も大いに参考にしていただいて、いま若い世代のなかで起こっている変化にふさわしい、大胆で創意的な手だてをとることを、心から訴えるものです。
職場の中での党員拡大――「ルールある経済社会」を展望して
第五に、職場のなかでの党員拡大についてです。ここでも、情勢の激動のもとでの変化と可能性が語られました。
危機のもとで労働者の中にも変化が起こっています。これまで分断されていた労働者の中に、連帯の感情と動きが起こっていることが、討論のなかで語られました。公務労働者の中でも、大災害のもとで、公務員攻撃が簡単には通用しなくなっている。「住民のためにしっかりとした仕事がしたい」という自治体労働者の一番の要求を基礎にするならば、いまの情勢のもとで党をつくる大きな条件が広がっているということが語られました。
ここで強調しておきたいのは、労働者の中の党員拡大では、労働組合の違いをこえ、あらゆる労働者の中に根をおろす。連合系の職場でも、全労連系の職場でも、党をつくったら、つくったところに根をおろして、党組織を発展させる。そして、その党組織のネットワークが、職場労働者全体の連帯のネットワークになっていくようなとりくみをおこなう。これが何よりも大切であり、わが党がとっている大方針だということです。
私たちが「ルールある経済社会」を展望した場合に、日本とヨーロッパを比較して、痛感する問題があります。ヨーロッパでは、労働組合が社会的に確固たる地位をもち、労働界と経済界と政府の3者によって労働政策や社会政策を決定する、「3者構成主義」というシステムが定着しています。これは、1936年にフランスで成立した人民戦線政府のもとでつくられた「マティニヨン協定」に始まり、現在のEU(欧州連合)では、さらに発展し定着している流れであります。「3者構成主義」のなかで、労働者、勤労者の要求が反映され、「ルールある経済社会」が形成されていっています。
ところが日本では、ここに大きな弱点があります。全労連という階級的・民主的潮流ががんばっていますが、連合指導部は、特定政党支持路線と労資協調主義路線という二つの重大な弱点を抱えています。そういうもとで、あらゆる職場に大きな党をつくるということは、日本社会がもっているこの弱点を克服し、日本社会のあり方を変えることにもつながる、重大な意義をもっていることを強調したいのであります。すなわち、「ルールある経済社会」をいかにしてつくるかを展望したら、民主連合政府をつくり、この政府が経済改革を実行していくことが大切であることはいうまでもありませんが、日本社会のあり方も変えていく必要がある。ヨーロッパでは当たり前になっているように、労働組合が大きな影響力をもちながら、政策決定に関与していく、そういう社会への発展も展望していく必要があるわけです。職場に大きな党をつくるということは、「ルールある経済社会」をつくるという綱領的課題の実現にとっても不可欠の大問題なのだということを、肝に銘じてがんばりたいと思います。
革新懇運動――情勢の大激動のなかで発展の大きな条件がある
討論のなかで、革新懇運動の位置づけをどう見るのかという質問がありました。革新懇運動というのは、1981年の結成以来、「二つの仕事」を統一的に追求するという基本姿勢にたって発展をかちとってきました。一つは、草の根からの国民のあらゆる要求をかかげ、実現をめざして共同を広げるという仕事であります。いま一つは、そういう運動とむすびつけて、国政を変える「三つの共同目標」――平和、民主主義、生活向上の三つの分野で、古い政治を大本から変える革新の目標をかかげ、国民多数の合意をかちとっていくための仕事であります。この両者を統一的にすすめているところに、革新懇運動の一番の魅力があり生命力があります。
私は、いまの情勢の大激動のなかで、この運動が大きく発展する条件があるということを、確信を持っていいたいと思います。切実な要求にもとづく共同という点では、たとえば復興問題でも、原発問題でも、暮らしの問題でも、平和の問題でも、どの分野でも、これまで私たちと結びつきのあった団体・個人の枠を大きくこえ、広い方々を結集して、広大な共同をつくる条件があります。現に討論でも紹介されたように、全国各地で、革新懇主催の復興問題や原発問題のシンポジウムなどが、これまでにない広い人々が参加し、大きな規模で成功をおさめています。
同時に、そういう共同を、国政を大本から変える「三つの共同目標」での国民的合意をつくる努力と結びつけてこそ、革新懇運動の発展は保障されます。いまの情勢は革新懇運動にとっても、まさに出番の情勢だと、私は思います。
革新懇運動というのは、1980年に、社公合意によって、当時の社会党が右転落するもとで、日本共産党が提唱してはじまった運動です。提唱者の党として、この運動の発展のために、激動の情勢のもとで力をつくそうではありませんか。
「しんぶん赤旗」日刊紙の危機打開のためのご協力を心から訴える
最後に、6番目の問題です。「党勢拡大大運動」では、党員拡大とともに、「しんぶん赤旗」の日刊紙と日曜版の読者拡大も重要な課題に位置づけ、前進をめざします。
この点にかかわって、「しんぶん赤旗」日刊紙の危機打開のために今回とった500円の値上げという措置へのご理解とご協力を、結語でも重ねて訴えるものです。
「しんぶん赤旗」日刊紙の果たしている役割は、党と国民との関係でも、党中央と一人ひとりの党員との関係でも、ほんとうにかけがえのないものです。
それを痛切な形で示しているのが、被災地での「しんぶん赤旗」の役割です。被災した3県は、この間そろって読者拡大でも前進をかちとっています。あれだけの打撃を受けながら、前進をかちとっている。これはきわめて重要だと思います。
宮城県は、2カ月連続で全地区が日刊紙、日曜版とも前進しています。岩手県は、3カ月連続で日刊紙、日曜版とも前進しています。福島県は、日刊紙で3カ月連続前進しています。この三つの県が、たいへんな被害をこうむりながら、「しんぶん赤旗」を前進させている。それは震災に苦しむ人々、そのもとで苦闘する党員にとって、「しんぶん赤旗」は、文字通りライフライン――命綱となっていることを示すものではないでしょうか。
震災直後に、党本部に被災地から1通のメールが届きました。
「(3月)15日から配達が再開された『赤旗』の紙面を開き、『震災に負けじ』との気持ちを奮い立たせています。たとえ1日遅れのでも被災地の私たちには安心と希望と勇気を与えてくれます。私たちには、『赤旗』は太陽です。万難を排して被災地に送り届けてほしい、暗闇の洞窟で出口を導いてくれる一条の光なのですから。寒風吹きすさむ中で被災地支援のためカンパに連日とりくんでいる仲間が大勢いることも『赤旗』で知りました。みんなに知らせたい」
毎日の「しんぶん赤旗」は「太陽」であり、「暗闇の洞窟で出口を導いてくれる一条の光」。これは被災地だけでなく、全国どこでもいえることだと思います。
「しんぶん赤旗」日刊紙をなんとしても守るための今回の措置について、全党の同志のみなさんにご理解をいただき、全党が力をあわせて、党と国民にとってのこの「太陽」を守り、大きくするためのご協力を心から訴えるものであります。
「党勢拡大大運動」の成功へ――ただちに国民の中に足をふみだそう
3中総決定を一刻をあらそって全党のものにしながら、ただちに国民のなかに足をふみだしましょう。「党勢拡大大運動」を成功をさせるために、すべての中央役員のみなさんが、心一つにその先頭に立つことを訴えまして、結語といたします。