2011年7月13日(水)「しんぶん赤旗」
石巻魚市場 初水揚げ 初競り
「待ちに待っていた再開」
宮城
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宮城県石巻市の石巻魚市場で12日朝、東日本大震災後初めて漁船から水揚げが行われました。桟橋に設置した仮設市場に、競りの声が4カ月ぶりに響きました。
震災まで全国有数の水揚げを誇っていた同市場は、比較的被害の少なかった西側部分の整備、洗浄などを行い再開の準備をすすめてきました。今回の営業再開は定置網などの小型船など一部のみ。
市場を運営する会社「石巻魚市場」の須能邦雄社長は仮設市場のにぎわいを見て「こんなに待ち望まれていたとは思わなかった」と驚きます。「ここに集まった人たちは、心に期するものがあります。内に秘めた、やるぞという思いがある。みんなと合意形成しながら、早く港の整備をすすめていきたい」と力を込めました。
定置網でヒラメやクロダイなどを水揚げした男性(54)は「魚の顔を見れてほっとした。去年と比べるとまずまずの水揚げ。待ちに待っていた再開だからうれしい」と笑顔を見せます。今回、内陸部へ1キロ流されていた漁船を修理し水揚げに間に合わせました。「地元の魚を食べたいという声がある。まだ冷凍設備なんかも全部そろったわけではないけど、今後もがんばりたい」と話しました。
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