2011年7月14日(木)「しんぶん赤旗」
国民年金納付率 59%に
過去最低 背景に不安定雇用増
厚労省発表
厚生労働省は13日、2010年度の国民年金保険料の納付率が59・3%となり、前年度(60・0%)を下回って過去最低を更新したと発表しました。納付率が前年度を下回るのは5年連続で、現行制度開始(1986年)以来、60%を割り込んだのは初めて。20歳代の納付率は40%台後半と、とくに低くなっています。
雇用環境の悪化で、臨時・パートの割合が増加しており、不安定雇用で月額保険料(10年度1万5100円)が払えない人が増えていることが背景にあると同省は指摘しています。
2年間にわたり滞納の人は321万人で前年と同じ。公的年金にまったく入っていない未加入者は9万人と推定されています。
低所得で保険料が払えず申請して全額免除になっている人は221万人で、前年度末に比べ7万人増加、一部免除者は44万人(同4万人減)となっています。
国民年金加入者(第1号被保険者=自営業、非正規労働者、無業者などとその配偶者)1938万人のうち、未納者と免除・猶予者が合わせて873万人と45%を占めます。
未加入、未納の場合、その期間の年金は払われないので低年金となります。納付期間が25年に達しなければ、まったく年金が受けられず無年金になります。
また申請減免の場合、その分、年金額が減らされ、きわめて低年金となります。将来の無年金・低年金者が増大し、国民皆年金制度を揺るがしかねません。