2011年7月20日(水)「しんぶん赤旗」
核5カ国と来月協議 ASEAN外相
東南アジアを非核地帯に
インドネシア外相発表
【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)=面川誠】インドネシアのマルティ外相は18日、当地で記者会見し、8月第1週に東南アジア諸国連合(ASEAN)と核兵器保有5カ国(米ロ中英仏)との外相級の話し合いの場を持ち、東南アジア非核兵器地帯条約(SEANWFZ)付属議定書への調印を求めることを明らかにしました。
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ASEAN10カ国外相で構成するSEANWFZ委員会の年次会合後に語りました。
附属議定書は核保有国による条約加盟国への核兵器の使用と核兵器による威嚇を禁じるもの。同委員会は、議定書をめぐる核保有国とASEANの対立点についてASEAN共通の立場をまとめた執行委員会の報告を承認。核保有国との協議に向けた準備を完了させました。
外相級の話し合いと並行し、議定書の修正を話し合う実務レベルの協議も開始します。
ASEANと核保有国の間では▽「核兵器使用と使用の脅威の禁止」の適用領域の範囲▽核搭載が可能な艦船の通航と寄港▽領有権係争地域への適用―が主な対立点になっています。
マルティ外相はASEAN議長国の立場で核保有5カ国との話し合いに臨むと述べ、「議定書調印に向けた前進は、核兵器のない世界に向けた非常に力強い弾みだ」と強調しました。
これまでASEAN各国は、対立点の解消策について立場の違いがありましたが、3月に立場の統一を図る協議を開始。一方で議長国インドネシアが核保有国との非公式協議を続け、ASEAN側の立場を調整してきました。
マルティ外相は、ニューヨークで開かれる次期国連総会にASEANが東南アジア非核兵器地帯条約支持決議案を提出すると述べました。