2011年7月27日(水)「しんぶん赤旗」
優先出資法案が可決
紙議員「金融機能強化は重要」
参院委
被災地の農水産業協同組合の信用事業を支援するため同組合預金保険機構による優先出資などを定めた法案が26日の参院農林水産委員会で、全会一致で可決しました。
採決に先立つ質疑で、日本共産党の紙智子議員は「被災した農業者、漁業者が再生するためにも、今後の円滑な信用供与を継続させるためにも、農漁協系統の金融機能を強化することは重要だ」と述べました。
そのうえで紙氏は「農漁協だけでなく、組合員をどう支えるかを抜きに復興はありえない」と強調。多くの漁業者や農業者が船や漁具、加工施設、農業資材などの経営基盤を失っており、事業再建するには新たに借金しなければならないとして、二重債務への対策を早急に取り組むよう求めました。
鹿野道彦農水相は「農漁協への資本増強は二重債務問題の解決にも必要なもの」と述べるにとどまりました。
さらに紙氏は「税金で個人財産の取得・形成はしないという原則では被災地は復興できない」と述べ、従来の枠組みにとどまらない対策を打ち出すよう主張。災害復旧事業の対象にならない陸上施設に対する支援とともに、第2次補正に計上している「予備費」を充てて被災した農漁業者の当面の収入対策を進めるよう求めました。
田名部匡代農水政務官は「第2次補正の『水産業共同利用施設復旧支援事業』で陸上の施設への支援をしていく」「地域の思いを受け止めながら対策を考えていく」と答えました。