2011年8月2日(火)「しんぶん赤旗」

汚染牛問題

東電が全面賠償せよ

紙議員要求 社長「請求には対応」


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(写真)質問する紙智子議員=1日、震災復興特別委

 日本共産党の紙智子議員は1日、参院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第1原発事故によって放射性物質セシウムに汚染された肉牛について、国の責任で全頭検査を行うとともに、汚染牛買い上げの賠償責任を東電に果たさせるよう求めました。

 紙氏は、“セシウム汚染牛”が46都道府県に流通し深刻な影響を与えていると指摘。「福島原発から100キロ以上離れた場所で稲わらがセシウムに汚染されていた。生産者のショックは大変なものだ」と指摘。菅直人首相は「責任を痛感している。出荷制限や検査などしっかりやっていきたい」と答えました。

 紙氏は、宮城県や秋田県、山形県など11県が自主的に全頭検査を始めているが、検査機器の不足、高額な検査料、検査基準の不統一などの問題があるとして、「全頭検査を国の責任で行うべきだ」と主張。菅首相は「最終的な責任は国が持つ」と答え、検査機器や検査料について国が責任を取る考えを明らかにしました。

 紙氏は、出荷停止は福島県で7万8200頭、宮城県で9万6100頭、農家数は両県で1万戸に及び、震災前に1キロ2100円だった牛肉が、汚染発覚後は100円にまでなっていると指摘。政府の汚染牛買い上げスキーム(枠組み)では汚染牛の買い上げ、汚染されていない牛肉保管は食肉流通団体が行い、東電が賠償することになっているが、必ず賠償が行われるのかとただしました。

 鹿野道彦農水相は、「責任を果たしていただけるものと確信している」と答弁。東電の西沢俊夫社長は「紛争審査会の答申を踏まえ対応する。農水省ともお話ししている」などと、あいまいな答弁を繰り返しました。

 紙氏は「東電と話し合いが決まってもいないうちに政府はスキームを発表したのか。これでは食肉流通団体だって受け入れられない」「事故がなければ起きなかった問題。全面賠償すべきだ。国が信頼回復のスキームを発表した以上、東電に賠償させると明言すべきだ」と追及。西沢社長は「要因は原発事故にある。請求されたものはきちんと対応する」と述べ、菅首相は「国としても責任をもたなければならない」と答弁しました。





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