2011年8月6日(土)「しんぶん赤旗」
核兵器禁止条約交渉直ちに
世界大会・国際会議
宣言採択し閉幕
3日から広島市内で開かれていた原水爆禁止2011年世界大会国際会議は5日、核兵器禁止条約の即時交渉開始を求める宣言を採択し、閉幕しました。閉会総会には、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長代理としてセルジオ・ドゥアルテ国連軍縮問題担当上級代表が参加し、事務総長からのメッセージを代読しました。(メッセージ全文、宣言全文)
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宣言は、「『核兵器のない世界』をどう実現するのかが、焦点になりつつある」と指摘。昨年の第65回国連総会が核兵器禁止条約の締結を求める決議を採択したことなどを紹介し、核保有国をはじめすべての国の政府に、ただちに核兵器禁止条約の交渉を開始することを求めています。
一方、核兵器廃絶に向けた国際合意を実行することが求められているにもかかわらず、「ふさわしい前進が築かれていない」と指摘。背景に核保有国が「核抑止」政策に固執していることをあげ、あらためて「核抑止」政策からの決別を求めました。
宣言は、▽核兵器禁止条約の交渉開始を求める署名(「核兵器全面禁止のアピール」署名)など諸行動の発展▽「核抑止」政策を打ち破る世論と運動の強化▽被爆者への援護・連帯。あらゆる放射線被害者への支援強化と被害の根絶。原子力の軍事利用に反対し、原発依存からの脱却と自然エネルギーへの転換を求める―などの行動を呼びかけました。
3日間にわたる国際会議のなかで、核兵器も原発も▽放射線被害者を生み、恐ろしい「死の灰」をふりまく▽どちらも原子力の軍事利用から出発している―という共通点が指摘されました。
国連総長メッセージ
ドゥアルテ氏が代読
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潘事務総長のメッセージは、「私は、みなさんと同じく、核兵器のない世界の実現を希求しています」と強調。署名や声明、集会などを通じて、「みなさんは、世界で最も残虐な大量破壊兵器をなくすという、発展しつつある歴史的プロセスへ人々の参加を促しています」と述べています。
また「みなさんの行動は、今生きている人々だけでなく、みなさんが生み出した成果を引き続き発展させる将来の世代にも利する重要な事業です」とし、運動の発展に期待を表明しました。
ドゥアルテ氏は、会場からの質問に答えるなかで、核兵器廃絶を求める運動について、「市民社会のなかで、核兵器がいかに惨禍をもたらすか、啓蒙(けいもう)、教育しているみなさんの活動に謝意と敬意を表したい」と語りました。
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