2011年8月7日(日)「しんぶん赤旗」
核兵器廃絶へ 心一つに
国民的な運動の発展を
原水爆禁止世界大会・広島
広島に原爆が投下されて66年がたった6日、広島市では原水爆禁止2011年世界大会・広島と、市が主催する平和記念式典がおこなわれ、核兵器廃絶への思いを新たにしました。世界大会・広島では「広島からのよびかけ」を採択。広範な人々と手を携えて核兵器廃絶を求める国民的な運動を発展させよう、と気持ちをひとつにしました。世界大会は、7日から会場を長崎市に移します。
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原水爆禁止2011年世界大会・広島には、海外代表を含めて国内外から2000人が参加しました。「世界から核兵器をなくすために力を注ぐ」と各地の代表が次つぎ語り、「核兵器全面禁止アピール」国際署名を広げる決意がみなぎりました。
あいさつした日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の坪井直代表委員は、自身の被爆体験を語りながら、「放射能の被害は何年か先に出てくる」と指摘。原爆の投下は「人災」とのべて、原爆、原発、核実験などによる「被ばく者を二度とつくってはならない」と力を込めました。
主催者報告に立った冨田宏治・宣言起草委員長(関西学院大学教授)は、福島原発事故による放射能汚染を深く憂慮すると表明。「被災地への支援、原発事故の収束、放射線被害から国民をまもるために立ち上がっているすべての人びとに、心からの連帯を表明したい」と語りました。
そのうえで、「一刻も早く核兵器を全面禁止し、この世界から完全に廃絶するために、全力を尽くす決意を新たにしよう」とよびかけました。
ノルウェー外務大臣のビデオメッセージが紹介され、マレーシア、キューバの政府代表があいさつ。海外から韓国、ロンゲラップ島民、イギリス、ノルウェー、オーストラリアの代表が発言しました。
東日本大震災の被災地から福島、宮城の代表が現状を報告し、被爆者の思いを受け継いで行動する青年たちや、草の根で署名活動などを続ける各地の代表が、とりくみを報告しました。
佐藤光雄運営委員会代表が行動提起し、(1)「核兵器全面禁止のアピール」署名をはじめ、核兵器禁止条約の交渉開始を求める行動を多彩に発展させる(2)「核抑止」政策を打ち破る世論と運動をひろげる(3)広島・長崎の被爆者への援護・連帯、あらゆる放射線被害者への支援を強化し、被害の根絶をめざす―ことをよびかけました。