2011年8月8日(月)「しんぶん赤旗」
共同の力が「核兵器のない世界」つくる
原水爆禁止世界大会 志位委員長のあいさつ
日本共産党の志位和夫委員長が７日、長崎市で開かれた原水爆禁止世界大会で行ったあいさつは次の通りです。
内外の友人のみなさん、こんにちは（「こんにちは」の声）。日本共産党の志位和夫です。（拍手）
原水爆禁止世界大会に参加されているみなさんに、連帯のごあいさつをする機会をあたえていただき、心から感謝いたします。（拍手）
「核兵器のない世界」への三つの発展
友人のみなさん。
この１年間は、昨年５月のＮＰＴ（核不拡散条約）再検討会議で全会一致で確認された「核兵器のない世界」への決意を、具体的行動へと発展させた１年でした。
私は、この１年間の三つの変化に注目したいと思います。
一つは、昨年１２月の国連総会で、マレーシアなどが提案した核兵器禁止条約の交渉の開始を求める決議への賛成が、史上最高の１３３カ国に達したということです（拍手）。日本政府が、この決議への棄権を続けていることは恥ずかしいことですね（「そうだ」の声、拍手）。私は、その態度をあらため、被爆国の政府にふさわしい行動をとることを強く求めます。（「いいぞ」の声、拍手）
二つは、２０２０年までに核兵器廃絶を求めている平和市長会議への参加自治体が、この１年間で大きく増え、１５１カ国、４８９２都市へと拡大していることです。
そして三つは、今年２月に、「核兵器禁止条約の交渉開始」を求める国際署名が力強く開始されたことです。（拍手）
私は、国連、各国政府、自治体、草の根のＮＧＯの共同の力を強め、発展させることこそ、「核兵器のない世界」を実現する最大の保障だと考えます。
この世界大会に、潘基文（パン・ギムン）国連事務総長がメッセージを寄せ、ドゥアルテ事務総長代理が参加され、エジプト、メキシコ、ベネズエラの大使が参加され、広島・長崎両市の市長が参加され、そして日本と世界から多くの草の根のＮＧＯが参加されている。私は、この共同の力こそ、「核兵器のない世界」をつくる力だと確信します（拍手）。私たちの党もその一翼を担って全力でがんばる決意を申し上げるものです。
「原発ゼロの日本」をめざす運動との共鳴
友人のみなさん。
史上最悪規模の原発事故を目のあたりにして、「原発ゼロの日本」をめざす運動が大きく広がりつつあります。「核兵器のない世界」をめざす運動と、「原発ゼロの日本」をめざす運動は、どういう関係にあるでしょうか。
原水爆禁止世界大会は、核兵器廃絶・被爆者援護を一致点として、内外の共同を大きく広げ、発展してきました。一方、「原発ゼロの日本」をめざす運動は、「原発をなくす」という一点での広大な国民的共同をめざす運動となっています。二つの運動は一致点がそれぞれです。
同時に、この二つの運動には、共鳴しあう大きな接点があります。それは、どんな形であれ、「核」による被害者を出してはならないということです（「そうだ」の声、拍手）。二つの運動が、それぞれの一致点を大切にして運動を発展させながら、「核」による被害者を出してはならないという点で大きく連帯する。これが大切ではないでしょうか。（「その通り」の声）
この点で国際会議の宣言が、「核兵器のない世界」をめざす具体的行動を中心にすえながら、原発からの撤退をめざす運動への「連帯」を表明していることは、たいへんに重要だと考えます。（拍手）
「核兵器のない世界」をめざし、核兵器禁止条約の交渉を一日も早く開始させるために、ともに力をあわせようではありませんか。がんばりましょう。（大きな拍手）
