2011年8月8日(月)「しんぶん赤旗」
「究極的廃絶」は歴史的逆行
志位氏会見 菅首相発言を批判
日本共産党の志位和夫委員長は7日、長崎市内で記者会見し、菅直人首相が広島市での平和記念式典(6日)で「究極的な核廃絶」を主張したことについて、核兵器廃絶の課題を永久に棚上げするものだと批判しました。
志位氏は「究極的」の言葉は国際政治の舞台でも死語になっているとしました。
1995年のNPT(核不拡散条約)再検討会議での文言は「核保有国の究極的な核兵器廃絶への明確な約束」でしたが、国際的な批判の高まりを受け、2000年の同会議では「究極的」が削除されて「核保有国の核兵器廃絶への明確な約束」とされました。10年の同会議でもこの文言が再確認され、国際社会は核兵器禁止条約へ進むべきだという方向へ前進しています。
志位氏はこうした経緯を紹介し、「『究極的』の言葉は核兵器廃絶を『永久に棚上げする』ということだ。アメリカの『核の傘』に依存し続け、『核抑止力』論に屈服する立場に身を落としたということだ。そういう言葉が広島の式典で使われたことは重大な歴史的逆行だ。日本の首相が使ったことは本当に情けない。被爆国の政府にふさわしい行動をとることを強く求める」と語りました。
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