2011年9月3日(土)「しんぶん赤旗」
野田内閣発足
増税・TPPの布陣
民主、国民新両党による野田連立内閣が2日、発足しました。野田佳彦首相は同日、組閣後に会見し、消費税増税、TPP(環太平洋連携協定)推進の立場を改めて表明しました。
野田首相は会見で、来年3月までに消費税増税法案を国会に提出する準備を進める立場を表明。TPPについては「従来通りしっかり情報収集して結論を得たい」と述べました。
組閣では、官房長官に野田首相側近の藤村修衆院議員を抜てき。与謝野馨経済財政担当相の後任に旧大蔵省出身の古川元久元官房副長官(国家戦略相兼)、財務相には安住(あずみ)淳前国対委員長を起用し、消費税増税への布陣を固めました。
外相にはTPP推進の玄葉(げんば)光一郎前国家戦略相(前党政調会長)を、厚生労働相には小宮山洋子前厚生労働副大臣を起用しました。鹿野道彦農水相、平野達男復興担当相、細野豪志原発担当相は再任。細野氏は環境相を兼任します。
野田首相は、組閣を前にした1日、官邸主導の経済政策を行うための新たな会議の創設を提起し、財界代表の参加を要請。日本経団連の米倉弘昌会長は「全面的な協力」を約束しました。自民党小泉内閣時代に、財界首脳を政府の中枢に迎え入れ、「構造改革」路線を推進した経済財政諮問会議の“復活”を目指すものです。
また野田首相は同日、自民・公明両党首とも会談し税制改定などをテーマにした協議機関の設置を提案。財界を司令塔とした、増税推進の「翼賛体制」構築を進める方向を明確にしています。2日の会見で野田首相は、民自公の協議について、「3党で問題意識は共有していただいた。党内手続き等は残るが、早く議論したいという強い願望を持っている」と表明しました。