2011年9月3日(土)「しんぶん赤旗」
良い教科書、子らに
沖縄・石垣 市民集会に熱気
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沖縄県石垣市で2日、「やっぱり育鵬社の公民教科書は子どもたちに渡せない!市民集会」が開かれました。会場の市健康福祉センターには若い母親の姿が目立ち、入り切れず外で聴き入る人も大勢見られました。
仲山忠亨元教育長が「よりよい教科書を子どもたちに渡すことは親、教師、地域の願い。この集会で自信と確信を得ました。さらに輪を広げて(育鵬社版教科書は)不採択に」と主催者あいさつ。県子ども育成会連絡協議会の玉寄哲永会長が各界で広がる抗議の取り組みを紹介しました。
琉球大の山口剛史准教授は、教科書のコピーを使って、育鵬社版の問題点と特徴などを具体的に指摘。石垣、竹富、与那国3市町教委を傍聴した市民や戦争体験者らが「育鵬社版先にありきのやり方。あきらめずに頑張ろう」と訴えると、参加者は拍手で応えました。
仲山忠克弁護士は法的根拠を示しながら、「教科書の採択権限は市町村教育委員会にあり、採択地区協議会は答申する機関で法的拘束力はない」と指摘。「今後予想される3教育委員会の協議で、学校現場やPTA、地域住民らの意見が尊重されることが大事」と激励しました。
竹富町教育委員会は2日、臨時会を開いて、先に決定した育鵬社版不採択を再確認し、協議会や教育委員協会総会の開催を求めることを確認しました。3市町の教育委員で構成する八重山地区教育委員協会(会長・仲本英立石垣市教育委員長)は、8日に臨時総会を開催する予定です。