2011年9月8日(木)「しんぶん赤旗」
JA全中 萬歳新会長が就任披露
志位委員長が出席・祝辞
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JA全中(全国農業協同組合中央会)の萬歳章(ばんざい・あきら)新会長の就任披露パーティーが7日、東京都内で開かれました。
萬歳会長はあいさつで、東電福島原発事故を含む東日本大震災からの復旧・復興にむけJAグループの総力をあげるとともに切実な現場の声を政策に反映する決意をのべ、農林水産業と地域経済に打撃となる世界貿易機関(WTO)や環太平洋連携協定(TPP)については「公正な貿易ルールにのっとり各国の多様な農業が共生できるようにこれまで以上に訴えていく」とのべました。
政府や財界などが関税撤廃となるTPP交渉参加を狙っていることについて、食料自給率向上をうたう政府の基本計画に逆行すると指摘、「ゼロ関税と農業振興は決して両立しないとの信念を貫いていく」と訴え、人と人とのきずなを大切にする協同組合運動の発展に決意をのべました。
来賓として、鹿野道彦農水相、日本生活協同組合連合会、各党の代表があいさつ。日本共産党から志位和夫委員長、市田忠義書記局長、紙智子農林・漁民局長、有坂哲夫局次長が出席し、志位委員長が祝辞(別項)をのべ、萬歳会長ら新役員と交流しました。
志位委員長のあいさつ
日本共産党の志位和夫委員長は7日、JA全中が東京都内で開いた新会長就任パーティーであいさつしました。その内容を紹介します。
萬歳章新会長のご就任に心からお祝いを申し上げます。900万を超えるJAグループのリーダーとしてのご活躍を心から願っております。
私たちが大変喜んでおりますのは、この数年来、JAグループのみなさんと私たちとのさまざまな対話や共同が各地ですすんでいることでございます。
その大きなきっかけになったのは、2009年10月におこなわれたJA全中第25回大会に私が初めてご招待いただきまして、ごあいさつする機会がございました。共産党の参加は初めてだということでしたが、大変温かい拍手をいただいたことを今でも思い出しております。
それ以来、JA全中のみなさんが、いわば「全方位外交」ということで、「すべての政党に、農業者の要求をぶつけ、実現を迫っていく」というとりくみをされておられるなかで、私たちとの対話もすすみ、さまざまな共同が広がっていることは、私の喜びとするところであり、萬歳新会長のもとでさらにこれが発展することを心から願っております。
直面する課題としましては、何といいましても大震災からの復興の問題と原発事故の問題がございます。
大震災で壊された農地の復旧の問題、原発事故での農業被害への全面賠償の問題に、ご一緒にとりくんでいきたいと思います。
そしてなんといっても、TPP(環太平洋連携協定)の問題は、大きな問題だと思います。一部からは「震災復興のためにもTPP参加を」という声があがっておりますが、私はとんでもないことだと思います。(拍手) TPP参加となりましたら、日本のコメの90%が壊されます。水産業をとってみましても、ワカメ、コンブ、サケ・マスが壊滅的な打撃を被ります。東北の主力産業である農林水産業をつぶしておいて何が復興でしょうか。この道はぜひ共同して断念に追い込むまで頑張りたいと決意を新たにしているところでございます。(拍手)
萬歳会長はご就任のごあいさつのなかで、「人と人とのつながり」「絆」をもってこの大震災に対応したいとおっしゃいました。大変大事だと思います。「市場原理主義」「効率第一主義」はもうだめだ、もっと人間と人間の連帯を大切にしていこう、という思いが国民のなかに広がっていると思います。ぜひそういうなかで、JAグループのみなさんがますますのご発展をとげ、また私たちともさまざまな対話や一致点での共同がすすむことを願いまして、ご就任にあたってのお祝いのごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。 (拍手)