2011年9月16日(金)「しんぶん赤旗」
第一生命 政界工作
4閣僚にも“格付け”
第1回口頭弁論 記録提出求める
第一生命(本社・東京都千代田区)の渡辺光一郎社長による政界工作が、同社に損害を与えたとする株主代表訴訟で第1回の口頭弁論が15日、東京地裁(福井章代裁判長)で行われました。
株主側代理人が提出した訴状は、渡辺社長による(1)業界に有利な取り計らいをしてくれる特定議員からパーティー券購入(2)協力的な議員の接待(3)2009年の総選挙での特定候補28人の応援行脚―があったことを指摘。
こうした行為は、贈賄罪などの法令違反であり、同社役員としての注意義務にも違反しているとして、渡辺社長に4220万円の返還を求めています。
これに対し、渡辺社長側は「いずれも第一生命の事業遂行にとって、間接的ではあっても有意義なもの」などと主張し、争う構えです。
この日の弁論で、株主側代理人の阪口徳雄弁護士は、政界工作を記録した同社の社内文書「政治資金パーティー購入実績」「議員応接録」などの提出を求めました。
古川国家戦略相が「友好議員候補」
政界工作をめぐる株主代表訴訟で第一生命が東京地裁に提出した資料に、生命保険大手4社が国会議員を格付けしたリストがあることが15日、判明しました。このリストで、パーティー券購入の対象となっている議員の中に野田内閣の閣僚4人が含まれていました。
リストは第一生命が提出した「平成21年度『議員取組姿勢(案)』」という09年6月作成とみられる同社の社内資料です。
リストでは自民、公明、民主の国会議員約120人を選別し、大手生保4社などで議員の担当社を割り振っています。
生保業界関係者への本紙の取材によると、リストは「主要議員」を頂点にして、業界への協力度で10段階に振り分け、パーティー券購入や接待などの目安を決めたもの(表参照)。
野田内閣の閣僚では古川元久国家戦略経済財政担当相が「友好議員候補」、中川正春文部科学相が「ポスト議員」、枝野幸男経済産業相が「功労議員」、平岡秀夫法相が「若手議員」に格付けされていました。
同リストは、09年8月の総選挙前に作成されたもの。政権交代後に民主党議員の格付けがランクアップした可能性もあります。
同社提出の資料によると、「主要議員」の石原伸晃自民党幹事長から04年度からの7年間で494万円分のパーティー券を同社は購入していました。「友好議員候補」の山本明彦前衆院議員から20万円分(4年間)、小沢鋭仁元環境相は204万円分(7年間)、「ポスト議員」の江ア洋一郎前自民党衆院議員は123万円分(6年間)の購入を受けていました。
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