2011年9月19日(月)「しんぶん赤旗」
現場尊重の採択を
教科書ネットが総会
子どもと教科書全国ネット21は18日、東京都内で第14回総会を開き、1年間の活動のまとめと今後の方針を確認しました。
議案の提案に立った俵義文事務局長は侵略戦争美化、憲法敵視の育鵬社の教科書が約4%の採択率になったことを報告。採択地区数でみると全国582地区中約2%にあたる13地区で採択されただけであり「多くの国民の支持を得たとはいえない」と述べました。
育鵬社・自由社の教科書は「戦争をする国の国民づくりの道具としてつくられたもので、子どものための教科書ではない」と指摘。採択された背景に自民党が介入したことや日本会議が地域組織をつくって活動したことなどをあげました。
採択された地区での撤回運動にとりくむとともに、教育現場の意向を尊重させる採択制度を求めていくことなどを今後の活動として提起しました。
6年ぶりに「つくる会」系教科書を不採択にした東京・杉並区、640通以上のはがきでの要請などで採択を阻止した京都市など、各地から活動が報告されました。
同ネット代表委員の高嶋伸欣琉球大学名誉教授が、今回の中学校教科書の採択について発言。元NHKプロデューサーの永田浩三武蔵大学教授が記念講演。「女性国際戦犯法廷」についての番組が自民党国会議員の圧力で改変された問題について語り、「番組改変と教科書から『慰安婦』記述が消された問題は同調している」と述べました。