2011年10月1日(土)「しんぶん赤旗」
民主、税金頼み選挙71億円
9党「ため込み」63億円にも
10年分 政党助成金使途報告書
総務省は30日、2010年分の政党助成金の使途報告書を公表しました。政党助成金を受け取った民主、自民、公明、社民、みんな、国民新、新党日本、新党改革、たちあがれ日本9党の支出総額は、総選挙が行われた09年に比べ22・8%減の299億6737万円。ただ選挙関係費と宣伝事業費は09年と同じく支出全体の4割を占めるなど、10年の参院選でも国民の税金が湯水のように使われたことが浮き彫りになりました。
政権党として初めて参院選にのぞんだ民主党は、選挙関係費と宣伝事業費で計71億8859万円を支出。自民党の38億5431万円、公明党の6億5107万円などを大きく上回り、交付9党で最多でした。
民主党は、テレビCM制作・放映料として18億4644万円、新聞広告に17億9243万円使ったのをはじめ、ラジオやインターネットの広告料などとして、広告代理店大手の博報堂と電通Y&R社に計約48億円を支出しました。また、参院選候補の公認・推薦料として108人に500万円ずつ計5億4000万円を配布。供託金没収費に7800万円を充てています。
自民党は総選挙での議席減で政党助成金交付額が減ったこともあり、選挙関係費と宣伝事業費は09年比約42億円減らしました。しかし、「自民党直属の広告代理店」として発足した「自由企画社」に19億4460万円、同じ身内企業の世論調査会社「日本情報調査」に調査費として5731万円をそれぞれ支出しました。
使い残した政党助成金を国庫に返納せずに9党がためこんだ基金残高の総額は09年比44・6%増の63億6682万円。民主党は44億円超で、同党が政党助成金を受け取り始めた1996年から5番目の高額です。
10年に9党が受け取った政党助成金総額は319億4200万円で、制度実施から16年間の各党の山分け総額は5038億円に上りました。これらの政党は政党助成金も企業・団体献金も受け取る“二重取り”を続けています。
日本共産党は、企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、党費と個人献金、「しんぶん赤旗」発行などの事業収入といった浄財に依拠する清潔な姿勢を貫いています。
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