2011年10月1日(土)「しんぶん赤旗」
B型肝炎
新たに80人が提訴
札幌地裁 個別和解成立後初めて
|
集団予防接種の注射器使い回しによるウイルス感染被害者が国に損害賠償を求めているB型肝炎訴訟で30日、新たな集団提訴が札幌地裁で行われました。B型肝炎ウイルスに感染した患者や家族ら80人で、16日に4人の個別和解が成立後、初めての提訴です。
この日、札幌のほか東京(1人)、名古屋(26人)、大阪(48人)の各地裁でも新たな提訴があり、全国のB型肝炎訴訟は12地裁で原告1191人となりました。
自ら慢性肝炎を発症しながら患者会を運営し、今回の提訴で原告となった川上博史さん(59)=北斗市=は「多くの患者の死を見つめてきた。国に肝炎まん延の責任を課す行動をしなければ患者は救われない」とのコメントを出しました。
記者会見した全国弁護団事務局長の奥泉尚洋弁護士は「原告数が1000人を超えたが、提訴にこぎつけることができた被害者はほんの一部。裁判を知らない患者や感染に気付いていない多くの国民を救済するためにも、国は早急に対策を立ててほしい」と話すとともに、被害者に弁護団への相談を呼びかけました。