2011年10月6日(木)「しんぶん赤旗」
九州 初の和解
B型肝炎、全救済へ通過点
福岡地裁
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集団予防接種での注射器の使い回しからウイルスに感染した被害者が国に損害賠償を求めたB型肝炎訴訟で5日、福岡地裁(西井和徒裁判長)で九州訴訟原告3人と国との和解が成立しました。和解成立は九州では初。3人には1250万円の和解金が支払われますが、九州訴訟だけでも280人以上の原告が国の審査を待っている状況です。
和解が成立した原告の梁井朱美さん(54)=佐賀県基山町=は記者会見で、20年の除斥(じょせき)期間や必要な書類がないことで提訴できない被害者のことにふれ、「手放しでは喜べない心境です」と語り、「すべての被害者に差のない救済を求めていく上でもこれは通過点にすぎない」と訴えました。
全国原告団の谷口三枝子代表は、「肝がんなど重篤な症状を抱える原告もいる。国の対応はあまりに遅い」と憤りました。
和解協議に先立って追加提訴(7月)分の初弁論があり、原告側は早急な審査を怠っている国の姿勢を批判し、「長年この問題を放置してきた責任を真摯(しんし)に受け止めるべきだ」とのべました。
九州訴訟弁護団は6〜7日、B型肝炎110番を開設し、電話相談を受け付けます。時間は午前9時〜正午、午後1〜5時で、姪浜法律事務所092(883)3345。