2011年10月9日(日)「しんぶん赤旗」

国会議員のパーティー券購入

電力9社、電事連“窓口”に

癒着、業界ぐるみ


 東京電力など原子力発電所を持つ電力会社9社がそろって、国会議員の政治資金パーティーのパーティー券を購入し、しかも、購入にあたって、業界団体である電気事業連合会(電事連)を“窓口”にしていた事例があることが8日、本紙の関係者への取材と入手した資料で明らかになりました。これまで、個別電力会社の献金や組織的な個人献金は指摘されていましたが、初めて業界あげての国会議員との癒着が浮かび上がりました。 (関連記事)


 9電力会社がパーティー券を購入したことが判明したのは、経産大臣政務官などを務めた自民党・竹本直一衆院議員(比例近畿ブロック選出)の資金管理団体「新国土研究会」など関係3団体の政治資金パーティー。2007年1月から09年1月までの2年間に開催した11回分で総額400万円分にのぼります。(表参照)

 そのなかには、電事連が関与して購入したケースもあります。

 資料では、07年6月に行われた「竹本直一を励ます会」のパーティー券販売について、パーティー券販売担当の秘書が電事連の事務所で、電力各社の代金を受け取ってきたことを示す記述がありました。大半の電力会社の購入に電事連が関わっていたことになります。竹本議員の資金の流れを知る関係者は「電事連が関与して、やりとりをしたことを示すものだ」と指摘しています。

 本来、公益企業である電力会社は企業献金を自粛しています。その業界団体である電事連がパーティー券購入に関わったとすれば、公益性を損なう大問題です。

 本紙の取材に竹本議員の事務所は「具体的な購入内容の公表は控えさせていただく」と回答。

 パーティー券販売の紹介や仲介について、電事連の担当者は「私どもの方からの回答は差し控えたい」としています。

 関係者は「電力会社全般がどの自民党議員からもパーティー券をよく買ってきたようだ。竹本議員は、その一例にすぎないのだと思う」と話します。


 電気事業連合会(電事連) 1952年に設立された全国10電力会社が加盟する業界団体。事務局は経団連会館内にあります。70年代以降からは原子力発電の推進を中心任務として、広報活動などの中心部隊の役割を果たしています。歴代17人の会長のうち、8人が東電出身で、同会の「中心は東電」と指摘があります。

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