2011年10月15日(土)「しんぶん赤旗」
泡瀬干潟 埋め立て再開
沖縄 強行に怒り“胸張り裂ける”
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貴重な自然環境を破壊する沖縄県沖縄市の泡瀬干潟埋め立て事業問題で国は14日、2年ぶりに事業を再開しました。「第2次泡瀬干潟埋め立て公金支出差し止め訴訟」の裁判が提起されるなかでの突然の工事強行に、市民ら約40人は早朝から緊急抗議集会を開き、埋め立て工事の即時中止を強く求めました。
この問題では2009年10月、福岡高裁那覇支部が「経済的合理性がない」として県と沖縄市に公金支出の差し止めを命じた判決を受け、事業は中断。その後、市が新たな土地利用計画を策定し、事業主体の国と県はこれを了承していました。
抗議集会で前川盛治第2次訴訟原告団長は「市の計画は毎年2・2億円の赤字を生み、まったく経済的合理性はない。液状化や津波被害など震災後の教訓を生かした災害防止対策を何ら講じておらず、計画はずさんだ」と批判。「泡瀬干潟を守る連絡会」の小橋川共男共同代表は「住民への説明はなく、怒りで胸が張り裂けそうだ。国は高裁判決を謙虚に受け止め、事業の中止・撤回を含めた検討をすべきだ」と訴えました。
集会参加者は「豊かな生物多様性を子々孫々に伝えていくため、工事の中止まで頑張ろう」とシュプレヒコールを繰り返しました。
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