2011年10月26日(水)「しんぶん赤旗」
東電手順書 過酷事故の対策なし
吉井議員質問に保安院認める
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日本共産党の吉井英勝議員は25日の衆院科学技術特別委員会で、24日に明らかにされた原発事故時の東電の手順書について取り上げ、過酷事故時の対策がまったく取られていなかったことが大変な事故を招いたとただしました。
吉井氏は、1999年に過酷事故を想定した手順書について質問した際、政府が「日本の原発は安全だ」として手順書の作成を電力会社まかせにしてきたことを指摘。その上で、過酷事故対策というなら、全電源が喪失しても、炉心が冷却水面の上に出ないようにすることが大原則だと強調しました。
今回、経産省が一部公開した手順書は「消火ライン系ポンプが正常なこと」と前提条件をつけるなど「全電源喪失」を想定していなかったため、中央制御室からの操作ができなくなり深刻な事態に陥ったと指摘。「そもそもシビア・アクシデント・マニュアル(過酷事故時対応操作手順書)があったといえるのか」とただしました。
深野弘行原子力安全・保安院長は「『シビア・アクシデント・マニュアル』という名称のものは整備されていたが、電気があることが前提だったので活用できなかった」と不備を認めました。
吉井氏は「(過酷事故への)まともな対策をとっていなかったことが重大な被害をもたらした」と批判。すべての手順書を公開するとともに、測定など放射線環境対策にかかる費用は東電に負担させるよう主張しました。細野豪志原発事故担当相は「(手順書は)公開の方向でしっかりとやっていく」「(費用は)東電に求めるという考え方で基本的にやっていく」と答えました。
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