2011年10月28日(金)「しんぶん赤旗」
医療保険は議論の対象
参院厚労委 田村議員が追及
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日本共産党の田村智子議員は27日の参院厚生労働委員会で、政府が公的医療保険が環太平洋連携協定(TPP)の議論の対象となっていることを知りながら、交渉で議論の対象外となっていると事実と違う説明をしてきたことを追及し、交渉に参加するべきでないと主張しました。
田村氏は、アメリカ通商代表部の「医薬品アクセス強化のためのTPPでの目標」という文書(9月)で、新規医薬品の薬価をさらに引き上げるため公的医療保険制度の見直しを求めていることを指摘し、政府の説明と違うこの文書を厚労省は入手していたのかとただしました。
同文書について小宮山洋子厚労相は「9月16日に把握した」と認めたものの、米政府の主張は薬価の問題で医療保険制度とは違うとごまかしました。
田村氏は薬価は医療保険の重要な制度であり、「あまりにも公的医療制度を狭くとらえている」と批判。米豪自由貿易協定(FTA)によって、オーストラリアでは一部の薬価が高騰し、医療財政を圧迫している事実を示し、「これでも日本の薬価制度や医療保険財政に影響がないと言えるのか。野田首相に交渉参加表明すべきでないと提言すべきだ」と迫りました。
小宮山厚労相は、各国の交渉状況について「国民にわかるように説明するのは必要だ」と述べつつ、「(TPPに)参加と交渉に加わることは別だ」と釈明しました。
田村氏は「き弁だ。参加を前提とした交渉になる」と強調しました。