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2020年1月21日(火)

施政方針

だんまり ごまかし 開き直り

こんな政権でいいのか

 「『桜を見る会』はどうした」。衆院本会議場に声が飛びました。約40分にもわたった施政方針演説。安倍晋三首相はついに「桜を見る会」私物化疑惑にも、自らが任命した内閣府副大臣が再逮捕されたカジノ汚職にも、公選法違反容疑で2人の重要閣僚が辞任した問題にも、一言も触れずだんまりを決め込んだのです。

 いずれの問題も首相自らを直撃する問題です。本来なら、演説の冒頭に釈明の一言でもあってしかるべきです。自らにむけられた疑惑に対して何の自覚も感じない、そして自らの都合の悪いことは“隠し、捨て、逃げる”、安倍首相の姿勢が顕著に表れた演説でした。

 その姿勢は演説のいたるところに現れました。国民に押し付けられた消費税10%増税の痛みについての言及はありませんでした。強権による沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設については、「辺野古」という言葉すら使いませんでした。

 ごまかしは一層ひどい。事実をゆがめて経済成長を演出し、消費税増税による税収増を、あたかも景気回復による税収増と偽りました。

 「わが国は、もはや、かつての日本ではありません」の言葉がむなしく響きました。

 社会保障改悪、農産物の輸入自由化、働き方「改革」…。安倍自民党政権がこれまで国民に押し付けてきた悪政が何をもたらしてきたのか。その反省と対策を示すことなく、開き直って、「希望にあふれ誇りある日本をつくり上げる」といわれても、まったく説得力はありません。

 オリンピック・パラリンピックへの国民の期待を背に、安倍首相がいくら「夢」を語っても、それは、国民が思い描く希望ではありません。

 18日まで開かれた日本共産党の第28回大会では、安倍政治からの転換の三つの方向―(1)立憲主義、民主主義、平和主義の回復(2)格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治に切り替える(3)多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築く―について旺盛に議論されました。安倍政治に代わる具体的で豊かな政策が語られました。

 安倍政権を倒し、政権を代え、立憲主義を取り戻す方向で一致するなど、野党共闘は深化を続けています。

 野党が、安倍政権に代わる政権の選択肢を示す、歴史的な国会の火ぶたが切られました。

 (国会取材団キャップ 山田英明)


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