2003年1月19日(日)「しんぶん赤旗」
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年金生活者の国民健康保険料(税)が四月から値上げされることになり、各地で問題になっています。昨年七月に政府と自民、公明両党が強行した健康保険法などの改悪で、年金特別控除が廃止されたことによるものです。四月からは年金の支給額削減、介護保険料の値上げも予定されており、何重もの負担増が年金生活者を直撃することになります。
たとえば千葉県柏市では、一人あたり平均で年間約一万三千円の国保料値上げとなります。同市では九千三百人の年金生活者に影響があり、年間で総額一億二千四百万円もの負担増となります。
国保料は、各市町村ごとに決められます。そのさい、現在、国民年金や厚生年金などの公的年金を受けている六十五歳以上の人に対しては、基礎控除(年三十三万円)、公的年金等控除(同最低百四十万円)に上乗せして、公的年金等特別控除(同十七万円)があり、国保料を計算するときの対象となる所得から除外されます。(図)
昨年の医療改悪では、この特別控除(十七万円)が二〇〇三年度から廃止され保険料算定の対象に組みこまれ、その分、負担額が増えることになりました。
この“控除縮小”“所得枠の拡大”によって年金生活者の保険料がどれだけ増えるのか、各地の日本共産党議員が地方議会で明らかにし、その撤回を求めています。
先の柏市のほかにも、新潟県村上市では、八千九百人の年金受給者のうち、約二千人が値上げになる見込み。負担増は最高で年一万四千四百五十円にもなります。
控除とは 収入から一定額を差し引いて、保険料や税金をかける対象額を減らすこと。控除の廃止で、その分、保険料や税金がかかる所得が大きくなり負担が増えます。