日本共産党

2003年1月21日(火)「しんぶん赤旗」

補正予算案で財政演説

景気回復への効果も示せず

塩川財務相


 塩川正十郎財務相は二十日の衆参両院の本会議で、二〇〇二年度補正予算案にたいする財政演説をおこないました。

 塩川財務相は補正予算案編成について、「不良債権処理を加速する過程における影響には、万全の対応を講じる必要がある」と表明しました。

 景気の現状については、「景気は引き続き持ち直しに向けた動きがみられるものの、回復の勢いは緩やかとなっている」とのべるだけで五分程度の説明で終了。深刻な景気を打開するためにどういう効果があるのかまったく語ることができず、雇用環境の悪化や家計所得が軒なみ落ち込んでいる国民生活の現状について、いっさい認識を示しませんでした。

 二〇〇二年度補正予算案は、追加歳出を実質規模で四兆五千二百四十九億円計上。中小企業つぶしと大量失業を生む不良債権処理の加速を前提に、離職者の再就職支援などの雇用対策に五千億円、中小企業対策に五千億円を盛り込んでいます。また、構造改革推進型公共投資として、大型幹線道路や空港建設などに一兆五千億円を投入するなど、看板をかけかえただけの従来型の公共事業がズラリとならぶ内容となっています。

 補正予算の編成にともなう税収不足にたいしては、四兆九千六百八十億円の国債を追加発行することでまかないます。このため、二〇〇二年度の国債発行額は三十四兆九千六百八十億円となり、小泉内閣が公約してきた「国債発行三十兆円枠」を突破しました。


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