2003年1月23日(木)「しんぶん赤旗」
「個人情報保護法案」、「有事法案」などの表現の自由を制限する動きにたいして二十二日、演劇人が「表現の自由に関する緊急アピール」を発表しました。これは、日本劇作家協会などが中心になってとりくみ、日本演出者協会、日本脚本家連盟、全国演劇鑑賞団体連絡会議幹事会、日本舞台美術家協会が賛同。同日、東京・霞が関の弁護士会館で記者会見をおこないました。
同アピールは、個人情報保護法案や有事関連三法案が、「いずれも主務大臣などの国の機関が、表現の規制に関与することになっています。そして、取り締まる対象やその根拠が、具体的ではなく、恣意(しい)的に解釈できる内容」と指摘。「舞台芸術に携わる表現者としての立場から」、「反対を表明」しています。有事関連三法案については、「国を守るための協力」という言葉で国民の権利、自由を奪う規定に対しては「断固反対」とのべています。
日本劇作家協会の永井愛会長は、「対話の大切さが叫ばれているのに、いざ本当にことが起こると、規制だ武力だと恐ろしい方向に事態が流れている。表現を享受する側にも大切なアピールなので、シンポジウムや議論などで深めていきたい」と発言。同会理事のふじたあさや氏は、「すでに表現の自由は少しずつ損なわれているのに、法律が後押ししてしまうのには黙っていられない」と話し、日本演出者協会の瓜生正美理事長は「まだ遅くない。大いに声をあげたい」とのべました。